アマゾンのギフトカードの残りがあったので、とりあえず購入してみたもの。今更だけど良著だと思う。
NA→TMIと5大事務所*1で執務されている先生がDDのチェックリストを公開されたもの。法務DDを企業買収時以外のときにも活用してほしいという思いから公開に至った旨の記載が初版の「はしがき」にある。
確かに、いざM&Aという話になってからこの種のリストに従ったチェックをするよりも、日ごろからこの種のリストに従って業務のあり様をチェックしていた方が、M&Aのような有事に対する備えとしては有用であろうし、書かれているように、企業にとっての事業の健全性に対する定期健康診断、というような使い方は、良い使い方ではないかと感じるところ。
NOTのDD本は、定評ある良著ではあるけど、あの記載だとどういう形でDDが行われるのかのイメージはできるとしても、具体的なチェックリストまでを自分で作れるところまで行けるかというと、疑問がないわけではない。これに対し、このように一定の規模を想定したものであっても*2、実際の資料のリクエストリスト、チェックリストの形で示されると、やはりわかりやすい。勿論、実際の事案に適用するには、事案に応じたカスタマイズが必要なのは言うまでもないけど（製造業の場合は、許認可周りは、製造している者に応じて、相当程度手を入れる必要があるかもしれない）、そのためのたたき台として使うには、良い本なのではないかと感じた。
一つだけ要望事項を挙げるのであれば、紙の本で見ると一部フォントが小さすぎて老眼世代には読むのが辛いことが有った。次回改訂時にはその点は配慮してもらえると嬉しいのだが。
