本日のエアリプ

脊髄反射的な何か。何かを見て*1の呟きを基に。

例によって、単体でのNDAについての話だが*2NDAの相手方に文句を言おうとするときに、第三者への漏洩と目的外使用のいずれが文句を言いやすいかを考える。ここで、NDAの下での秘密情報に属する情報を第三者が所持等していることを現認できたとしても、それがNDAに反して漏洩されたものかどうかは、当該第三者の情報入手経路を突き止めないとわからないし、その辺をあいまいにすると、文句を言っても反駁されて終わるだけになるかもしれない。そういう意味では漏洩は使いにくいのではなかろうか。寧ろ、目的外使用の方が、情報の使われ方から目的違反が認定しやすく、その意味で、文句を言うのには使いやすいのではないか。


そう考えると、秘密情報の使用目的のところの規定を緩くすると、NDA自体の実効性を削ぐ危険があるのではないか。確かにNDAにおける秘密情報の目的規定を緩めにしておくと、NDAで対象となる情報交換の範囲が広くなり、都度NDAを取り交わす必要がなくなり、情報交換の効率化に資するようにも見えなくはない。ただ、そうした行為は、その反面で、文句を言いにくくする危険があるわけで、その種の緩和措置を考える場合には、そこに潜む危険は踏まえたうえで判断をする必要があると考える次第。この辺りを碌に考えずに既定の仕方が甘くて、結局「使えない」ものにしておきながら、ご利益がない、というのは、本末転倒なのではないかという気がするのである。

*1:ご迷惑をかけるのを避ける趣旨で言及はしない

*2:事務所の弁護士になってから単体でのNDAの内容検討とかはした記憶がないので、以下は、こちらの企業内にいたときの経験等に基づくものであることを付言しておく。