BLJ2020年1月号

 

宅配が遅れたせいで遅くなったが、かけるところだけ、例によって、呟いたことに基づき感想をメモ。

  • 相変わらずbioに一番大事なはずのことが書いていない(くどいな>自分)藤野論考。消滅時効周りの改正対応についてのコメントは納得。契約書のドラフティングの問題ではないところでの対応については、抜けやすいというのは理解しやすいのではなかろうか。定型約款の規制に関してのコメントは、氏の前職を考えると納得か。改正を理由とした契約条項の修正提案への対応についても、現実的な対応策の提案が参考になる。「頭でっかち」な対応への警鐘は頷くところ。ただ、あえて「何も書かない」という対応は、改正の話が頭に刷り込まれているとかえって勇気が必要な対応のようにも思われる。
  •  二次妻・無双様のレビューは、やはりそこか、という某書籍のレビュー。債権法改正への対応が手薄というご指摘のようだが、特に経過規程周りは、この本が長く読まれる前提にたつと(改訂も容易ではないと思うからそう感が得るべきだろう)、今はいいけどひと段落した後では冗長という話になるものと思われるから、やむを得ないのではないか?そうそう。個人的には実務書を選ぶうえでは、取り回しとか邪魔にならないことも重視しているので、二次妻・無双様が推していた書籍については、推さないものである。
  • 法務インタビューは、イギリスからのテレワークの話が面白いのだけど、出で来る方々の肩書がバラバラで、寄り合い所帯のせいなのかも気になった。
  • 独禁法と金融機関の話は、金融機関の法務に縁がないので、へーって感じで読んだ。規制業種で規制が外形上多くても、実際は重なっているところとかもあって、正味どこまで気にするかというのは、外形とは別に考えないといけなさそうに思えたけどどうなんだろう。
  • 人事労務リスク管理の連載の振り返りというのは、連載の締め方として興味深い。
  • 外資企業のポリシー違反の解雇の件は、記事の内容としては穏当な感じを受ける反面、実務としては、身も蓋もないけど、結局は金で解決というしかないのではないか。法的なリスクが残るのは事実だけど、企業内から排除することを重視すれば、金を払って外へ出すという形を整えるのがよさそうな気がする。外資慣れしている従業員ならそれで多分何とかなると思うし。
  • ハーレム連載。ご都合主義的な今回の設定はさておき、長々続いた映画の話は終わってNDA。Non Confidential Informationの定義のところで、従前Confidential 扱いであったもののも、一度政府機関から開示要求がでたら永久にNon Confidential Information扱いになるかのように読めてしまうのでは?寧ろ第3条の守秘義務の例外の方に規定するのが無難なはず。あと守秘義務の期間も開示から5年というと、M&Aの前提の契約だと、開示がバラバラ五月雨式になされることを想定すると、どの情報にいつまで守秘義務が課されるのかの管理が煩雑にならないか。さらに細かいことをいえば、秘密情報の定義で、書面でConfidential等と表示したもの以外は、口頭で開示した情報について、秘密である旨指定したもの、を含めていたけど、それ以外、例えば見学で見たもの(製造プロセスの見学とか)とか、匂い(メーカーとかだとそれで、工程で使っている物質に関する情報となり得る)とかも時には対象にしないといけないときがあり、そのあたりは、いかなる情報を開示するものと想定されるか次第で決まり、それはいかなる会社の株式譲渡なのか、次第になるはずなのに、そのあたりが記事上不明なままで、案文について問題なしと即断しているところにも疑義が残る。
  • 知財羅針盤。フラダンスの著作性だけど、フラダンスの特殊性故の判断という部分もあり、Shall we dance?事件との比較が興味深かった。
  • 特集については、こちらに知見がないので、迂闊なことは言えないが、例によって、弁護士さんたちの解説(これはこれで有用なのは間違いないのだけど)よりも、企業の方々の声の方が興味深い。
  • データ取引の記事は、AIとかディープラーニングとかの基本的事項の確認が、有用だった。正直わかっていなかったので。