いのちの再建弁護士 会社と家族を生き返らせる (角川文庫) 文庫 /村松 謙一 (著),

前に読んだ本だが,ドラマになることもあって,文庫化されていたようなので購入し,再読したので,改めて感想などをメモ。

依頼者の自死,お子さんの死亡,という悲しい出来事を乗り越えた著者の一代記というところでもあり,そういう意味では,ドラマになるのも頷けるところ。法律的な側面の感想は最初に読んだときの感想と大きく変わらないのだが*1,今の状況から見ても,資本の論理一辺倒の議論に対する違和感には,個人的には共感を覚えるところ。

 

更に個人的なことを書けば,司法試験の勉強を続ける際に,勉強場所に使っていた図書館に本書の単行本があり,勉強が思うに任せず,モチベーションが下がってきたときには,本書の単行本を手に取り,自分を鼓舞することに役立てていた。著者の熱い思いに接すると,理由はよくわからないが,何故かモチベーションが立ち直ったのであった。そういう意味で本書には,恩義を感じるところでもあって,今回文庫化されたことで初めて手元においておこうと思った次第。身勝手な話で恐縮だけど,諸々の状況の中でモチベーションの維持が必ずしも容易ではないところで,お守りではないが,自分を鼓舞する本として,手元においておこうと思ったのだった。

*1:もっとも,会社法のH26改正による詐害的会社分割への対応などで,著者が書いている取りうる方策にどういう影響が出たのかは気になるし,文庫化に際して,そのあたりのコメントが欲しかったような気がするが,一般向けの本書でそれを望むのは無理があるのだろう