情報の交差点に立つ

何のことやら。呟いたことを基に雑駁なメモ。一部は以前呟いたことと重なるような気がするけど、その点はご海容を賜りたく(汗)。

 

 

企業内法務をしていると、社内の相談で、情報の交通整理をすることがままある。言語化能力に個人差があるところでは、その種の仕事をすることで、業務が円滑に進むこともある。そして、そういうことをしていると、ある種の信用を得ることができ、何かあると相談してもらいやすくなって、情報が入りやすくなると、リスク管理という側面で有用だったりするので、そういう状態を現出させることには、一定の正当化が可能であろう*1

 

この種の情報の交通整理では、既にblanknoteさんが指摘されているように、会計、税務、法務、社内手続あたりの知識があるとやりやすいのと、企業内法務だと、多くの取引において、契約書という形で整理されることになるので、その過程に関与しやすいということはあると思われる。

 

もっとも、そのことは、企業内法務が法務以外の分野の専門家であることを求めるものではなく、これらのうち、法務以外の分野について、ある程度の理解をして、疑義を覚えたときに関連部署に相談することを心がければ足りると思われる。


個人的な感度では、「いつも」と違うアレンジの時に立ち止まって考えてみると良いと感じる。なぜこの当事者がこの取引に関与するのか、なぜこの当事者にこの義務や利益が帰属するのか考えてみて、説明が思いつかないときは、相談をすべき、ということになると思われる*2

なお、この種の感覚は、実際にやってみることでしか見につかないように思われるので、臆せずにやってみることが重要と感じる。それと、こうした感覚は事業部門側においてもリスクの発現可能性を減らす意味では、重要と思われる。そういう意味では、ジョブローテーション制度で、事業をする側であろうとする人間に管理部門を経験してもらうことには一定の意味があるのではないかと感じる*3

 

また、情報の整理の仕方という意味では、当事者間の関係や取引の順序に従った、モノ・カネ・情報の流れを図示してみることが重要となると考える。図示してみることで、頭の中で考えているよりも、不自然な点が見えやすくなり、確認すべき点の洗い出しができるように感じる。

*1:他方で、ある種言語化スキルの占める割合の高い話で、法務的なスキルがなくても一定程度できてしまうので、この種の話だけで、お鳥目を得るような事態になるのは、それはそれで好ましいとは言い難い面があることも留意する必要があるだろう。

*2:当然のことながら、これらの話は、事実関係の確認が一定程度されているのが前提である。事実関係が不明な場合には、まず確認を試みるべきであることはいうまでもない。

*3:もちろん、管理部門経験をすればこの種の感覚が自動的に身に付くようなものではなく、個人差がある上、逆に確信犯的に(以下略)という場合もあり得る。