若干の補足

呟いたことを基にメモ。

dtk1970.hatenablog.com

昨日のエントリの前後でNDAについてのやり取り?がTL上であったので、こちらの呟いたことを基にメモをしてみる。

 

メーカーの場合、NDAでやり取りする情報はそれなりに機微性が高く、情報ごとに異なる扱いを要する場合もあり、NDAのやり取りで時間をかける場合もある。一律に割り切りづらいところもあるように思う。一旦NDAに基づいて出してしまった情報は、自分のコントロールが及ばなくなるし、その後にも影響し得る以上、NDA時点で揉めるのは、程度問題はあるとしても、個人的には仕方がないのだろうと思っている。とはいえ、deal breakにまで至った記憶はないから、何らかの形で決着はつくのだが。この辺りは、やり取りする情報の中身、取引全体における位置づけによるところがあって、業種によって異なる部分がある。金融では大分様相が異なるというのがTL上からも読み取れるところ*1*2

 

とはいえ、自分自身が直接揉める側にいたことはあまりなく、他人がメールなどのやり取りで揉めているのを横目で見ているだけだった*3。傍で見ている限り、揉めるパターンは、ある程度類型化しているようにも見えた。相手の雛型にあわせると自社の管理方法とあわないときとかが多い印象。

それと、米系メーカーのときは、米国の再輸出規制に基づく規制については、かなりいい確率で揉めていた。再輸出規制自体が分かりやすくないため、それを受けたNDAでの条項自体も込み入ったものとなり、その条項の必要性から揉める要因になっていたようだった。これは仕方がないのだろう。

*1:やり取りの様子について、かつての某雑誌の匿名座談会を想起させるという指摘には納得したのだった。

*2:いる業界によって法務実務の見え方は異なるということがNDAを題材に例証されたような気がしたのであった。そういえば金融系のインハウスの方が、かつてある法科大学院で企業法務の授業をして、それを非金融の某社の法務の方が受講していたところ、講師とは、話が噛み合わないとぼやいていたのを思い出した。そういうこともあり、転職の際には、未経験可、と言われても、金融系の法務は無理と言い続けていた。

*3:なお、米系メーカーの時は、NDAは別の担当者がいて(こちらも含むlawyerに対しては、NDAは担当するなという指示が出ていた)、やり取りしているメールが㏄で流れてきたのでそれを見ていた。