TL上で見て、近所の図書館にあったのを借りて目を通したので感想をメモ。
今どきの写真家の方が、今どきのカメラユーザーに向けて語った写真の本、というところだろうか。SNSでの公開を前提にした形での、趣味としての写真との向き合い方を説くもの。所収の写真も含めて、肩の力が抜けた感じなので、概ね(全部ではないが)気楽に読める。
こちらは、気が付くと銀塩カメラ時代から、カメラを手にするようになってから30年が経過して、カメラとか写真との付き合いかたも変わってきた。著者と同様にカメラ・レンズの性能に目を奪われることもなかったとはいえない(著者程お金を費やしてはいないが…)。それなりの時間が経ったこともあって、著者の言うことには、スタンスの違うところはあったものの、理解できるところが多かった。普段持ち歩く携帯電話のカメラの位置づけとか、取り回しのしやすさの価値、についての記載は特に納得できた。
付されている写真は、それ自体作品として、良いだけではなく(色調に統一感があって、落ち着いているのも良い。)、語られている内容を相応に反映したものとなっているので、語られている内容に説得力を持たせるのに寄与していると感じた。
この辺り(?)で一度写真について考えてみる、といううえでは、良い一冊。