一通り目を通したので感想をメモ。実践できるかはさておき、内容は分かり易いと感じた。
こちらの診断士の登録は一応なされた模様である。登録を前提に協会から連絡が来たので、中小企業庁のサイトを見ると、登録されていたのが確認できた。登録されたら役所から書類が来ると理解しているのだが、そちらはまだ来ていない。
ともあれ、診断士としても少しでも稼げるようになりたい*1。弁護士は、企業内弁護士をすることで稼ぎに繋がっているが、診断士はそうでもないので*2。
とりあえず、診断士試験で財務会計を扱う事例IVが苦手だったこともあり、財務分析などを強化しようとして、実務補習の前に購入したうちの一冊が本書。実務補習前に一読したのだが*3、再読したので感想をメモしておく(前置きが長い(汗))。
中小企業への指導実績の豊富なベテラン会計士・税理士さんたちの手によるもので、中小企業の経営者向けに、管理会計の手法で、財務をどのように強化するかについて説いた本、というのがざっくりした本書の紹介。中小企業の経営者が、どういう観点でB/S、P/L、C/Fを見て、業績改善に結び付けるべきかということを、丁寧に説明している。企業の意思決定の目的で作るP/Lについても、内部で方向性を決めるのに使うことに鑑み、その目的の為に必要な程度でざっくりしたものを、適度に仮定をおきながら、簡単に作れるようにしている。見るべきものを迅速に見れるようにしている点がノウハウであり、経験値のなせる技だろう。用語・概念の説明も、イメージしやすいたとえをしているし、目標をあげる際も、具体的にイメージできる指標を、その理由とともに挙げているし、目標の立て方も段階を踏む形で無理な目標になるのを防ごうとしているように見える。これのあたりも同様であろう。経営者が肚落ちして、従業員に語れるレベルになることを目指しているのだろうから、当然なのかもしれないが。中小企業が対象なので、会社が生き残る、倒産しないことを優先して、安易な借り入れを戒め、財務レバレッジのようなことを言わないのも個人的には共感できる。
もちろん、財務強化のためには、売上拡大、新製品開発、顧客開拓というあたりが必須だが、そのあたりは本書では触れられていない。そのあたりは著者らのバックグラウンドからすれば論じ難いのかもしれない。中途半端に変なことを言うよりは、何も言わないほうがいいという判断もあり得るのだろう。
全体として、実践するのは大変だろうと思うが*4、診断士業務で診断をする際には手元においておきたいと感じた。
