田中長徳写真展「WIEN KODACHROME 70’s」

掲題の写真展を見てきたので感想をメモ。気づいたのが遅くて、本日が最終日だった。

 

例によって、ギャラリー入口に案内があったので撮ってみた。

 

長徳さんの写真展は、前回の「FIRST and LAST」に引き続いてというところ*1。今回の展示は、前回の展示に引き続いて、70年代のウィーンをカラーのコダクローム(この言い方も懐かしい)で撮ったポジフィルムから選んで、プリントしたもの。長徳さん曰く、「仕事の傍にちょろまかした」コダクロームを100本ウィーンに持って行ったとのこと。流石にもう時効だろうが。例によって、全作品販売可能ということで値札が付いていた。それなりに売れているようで何よりというところ。

 

まず驚いたのは、プリントまでの間に多少の補正はされたとしても、50年前のポジが劣化を感じさせることなく、原版として使えていること。流石、というしかない。色彩が瑞々しいと感じた。僕自身が銀塩写真で多少遊んでいた時も、普段はネガばかりで、ポジを使うときは、値段が相対的に安かったフジばかりで*2、コダクロームはほとんど使った記憶がない。使うに値する腕もなかったが...。

 

70年代の若き日の長徳さんが写したウィーンのスナップは、年代も距離も遠いので、別世界の写真のようだけど、街の諸々をさりげなく切り取った良い写真達だなと感じた。視線の向け方や対象との距離感が個人的な好みと合うというところだろうか。ギャラリー入り口の案内にも使われていた温室の中と思われる写真も雰囲気があって良かったが、個人的には、アパートかどこかの窓から外を撮っていて、地上に路面電車が走っているのが写っている一枚が、路面電車の赤い車両がカッコよくて、一番良いと感じた。

 

このギャラリーは1階と地下1階が展示スペースとなっているが、入り口から入って1階の展示を見た後に階段を下りたら、長徳さんと思われる方がおられた*3。スタッフの若い方と話をされていて、スタッフの方が、ぼくが写真を始めたときにはコダクロームなんてなかったんですよというようなことを言っているのが聞こえた。デジタル写真native世代ということなのだろう。隔世の感を禁じ得なかった。

 

*1:再訪しなければと思いつつ結局行かなかったが...

*2:フィルム代も現像代(現像方式も他とは異なっていたはず)も高かったと記憶している。

*3:以前見たときと髪形などが異なっていたので断言できないが、年恰好から見ておそらくそうなのだろう。