一通り目を通したので感想をメモ。やや内容は古いかもしれないが、診断士の実務補習・従事の前には手元にあってよいし、診断士受験生も、時間があるなら*1、一読しておいてよい本と感じた。
診断士受験生時代に、実務補習・従事の際に使う本だからということで、購入し、2回目の受験後に一読していたはず。今回、実務補習・従事を終えたところで、復習の意味もかねて再読した。
診断士協会主催の実務補習の際には、テキストも支給され、今回リニューアルされたもので、それはそれでよいのだが、実務補習が、診断書をwordで提出するため*2、実際に診断を中小企業の経営者に提示する際に使うpowerpoint(その同等物を含む)を使っての診断のプレゼンをどうするかについては、よくわからなかった*3。こちらの勤務先でも経営層への説明にはpowerpointを使うし、wordを使って説明というのは正直疑問だった*4。
本書では、その見た目の洗練具合はさておき*5、分析から、中小企業の経営者向けに示すプレゼンの案まで含めた一通りのケーススタディがついているのが、まず良いと感じた。こちらのように経営診断のイメージがつかめず、一体何をするのか、大まかにでも全体像が示されているのは、実務補習・従事への不安を減らすことになるのではないか。また、企業の分析の手法などの解説も分かり易いし、断片的に語られがちな分析のフレームワークについても、相互の関係や使うべき時などを示してくれていて、良いと改めて感じる。診断士受験生にとっても、事例を解くときに、こうした診断の一部を答案で書いているということを意識すると*6、答案の質の向上に繋げられるのではないかと感じる。
*1:いつ読むかが難しいが、受験が終わった後に読むのも一案かもしれない。合格していれば実務補習・従事の準備になるし、そうならなかったとしても、受験勉強においても示唆が得られると思うので。
*2:指導員の先生によれば、診断士として補助金等の申請書類をwordで作ることから、wordでの作成能力を見るという側面があるため、そのようになっているとのことだった。それはそれで相応の意味があるから、やむを得ないのかもしれない。
*3:実務補習ではwordの診断書で説明したが正直やりづらかった。
*4:その点は「事業デューデリジェンスの実務入門」でも触れられていない。あの本では、最終的に事業調査報告書にまとめることを主眼においており、件の報告書は、極論すれば銀行融資獲得のための書類であるので、やむを得ないところなのだろう。もちろん書かれている分析手法などは実務従事・補習では有用だったのは間違いない。実務従事・補習に向けてはこの「フレームワーク」を読んだ後に「事業DD」を読むのが良いと考える。
*5:そのあたりは今時だといくらでも情報はあるので、別途手当てすればよいだけのことと考える。
*6:与件は要するに社長の話であり、設問は指導担当からのヒントだと思うと良いと考える。要するに実務補習・従事で、指導者の下で社長の話を聞いて診断書を書けるか、ということが2次筆記試験では試されているはずなので。
