BLJはまだ来ない。編集部の方の言葉通り明日来るといいけど…。それはさておき、いくつかメモ。
- 感染症感染拡大予防を理由とした公演中止に伴う法律問題 桑野先生
基礎的な用語の説明もあり、わかりやすいと思いました。今回の事態が「履行不能」ということについての慎重な姿勢は、なるほどと思うところ。目の前に見える事象に囚われすぎないことの重要性を改めて感じた次第。 - 新型コロナウイルス労働問題に関するQ&A 日本労働弁護団
労働者側の先生方のまとめ。労働問題がこれから増えることも想定可能だから、時宜に適ったものといえるのだろう。 - 新型コロナウイルスを理由として、株主が出席しない方法で株主総会を開催することが可能か、についての試論 川井先生
川井先生が踏み込んだ解釈論を紹介されていて、興味深い…と思ったら、TL上で、現状で限界に挑戦しているかのような事例のご紹介にも接した。物理的な「場所」の指定が必要ならば、指定だけして、そこには誰もいない(役員等の全員がネット経由で出席。株主にもそれを推奨)でも一応OKというのは、興味深い。*1 - States Consider Delays to July Bar Exam in Response to Virus Bloomberg law
州ごとの試験と言いつつ全米共通の問題を使う試験があるから、制約要因が多く、どうなるのか、ということも興味深い。試験なしで業務開始を認めるという案があるのは、bar examが、司法研修所の入所試験でしかない司法試験とは異なる立ち位置にあることを端的に示しているという気がしないでもない*2。 - 「コロナウィルスと法の支配:歴史からの警告」 奥邨先生
原文が気になっていたのだけど、早速翻訳していただき*3、ありがたい。末尾の次の指摘は、諸々の現下の状況下では看過される危険が高いと感じるので、忘れないようにしないといけない危機的状況において、法の支配が放棄されることで最も影響を受ける人々こそ、最も弱い人々であることを思い出すべきである。重要な原則に忠実であることは、容易なこととは限らないが、それらは文明社会の基礎であり、危機が私たちの文明を奪うことがあってはならないのだ。