最近の仕入れから(2021年7月初め頃)

例によって例のごとくメモ。

 

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東洋経済は、「最後の審判」などと、表紙での煽り方に品がないと感じるものの、特集は目を通しておこうと思って購入してみた。
特集は、東証の市場区分変更に伴う諸々の動きについての記載等があるが、結局市場区分のもたらす経済的メリットに追われて、市場区分の基準となる指標という外形的な数字合わせに汲々としている会社の状況がうかがい知れたのは、何だかものすごく皮相的に見えてしまった。
社外取締役監査役の取締役会などの会合への出席率のみをあげつらうのも同様に皮相的に感じた。こうした方々が会合外で何をしても評価をしないかのごとき論調にも読めたのだが、それが適切と言えるのか、個人的には疑義が残った。
そもそもガバナンス周りは、個社が個社の状況に応じて対応すべき話ではないかと思うので、証券市場側が経済的なメリットを餌に、「改革」を強いる形になっているのは、何か間違っていないかと思う。仮に、個社に何かを強いるのであれば、会社法または金商法の改正によるべきなのではないかと思う(その意味で上村教授の主張には親近感を感じた)。状況への対応に関しては、東レの社長のインタビューが、ある種「大人の対応」という感もあって、読んでいて納得できるところが多かった*1

 

新書はTL上で評価が高かったので購入。なかなかにガチな感じがして興味深い。

 

最後の一冊は、元ゼミ生としては読む・読まないに拘わらず購入しないわけにはいかない(汗)。先生の本は、日本政治思想史も結局途中で放置したままになっていて、実に申し訳ない限りなのだが...。

*1:なお、ガバナンス関連の紛争の図解はわかりやすかったことは付言しておく。