センサーとしての人間の五感について

何のことやら。前にもエントリにしたかもしれないが、呟いたことを基に若干のメモ。当然ながら、こちらの現時点での体感に基づくものなので、異論等があり得ることは言うまでもない。

 

法律事務所の先生方が債務整理の対面での打ち合わせの要否について議論されているのを見て思ったことをメモしておく*1

 

teams/zoom/google meet等のようなネット越しではなく、対面での打ち合わせが有用なことというのは、企業内でも存在するというのが、こちらの体感するところ*2。企業内であっても、テキストベースのコミュニケーションが得意でない人がいる場合がある*3。また、相談者の挙動や臭いなどという非言語的な情報から得られる情報が、言語による意思疎通で得られる情報と同様またはそれ以上に有用ということもあり得る。ハラスメント系の事案において*4、異臭がある→風呂に入れないからではないか→メンタルが壊れているから風呂に入れないのではないか、という推測過程で問題*5を察知した経験がないわけではない*6。また、相談者の挙動から、相談者が何かこちらに話していないことがないか、ということを確認することも、回避可能な「嘘」を回避するためにも重要ではないかと感じるところである。

 

そういう意味で、論理的に考えて行動する以外の、自分の五感をフルに使って、感じ取ることも重要なのではないかと感じる次第。

 

*1:当該論点については、某先生(ご迷惑をかけるのを避ける趣旨でリンクなどはしないでおく)がいみじくも指摘されているように、対面での打ち合わせを省略すると、対面での打ち合わせなしで粗雑な処理をされて、被害を受ける消費者が出る可能性(及びその尻ぬぐいをさせられる別の先生方に負担が生じる可能性)が現実にあるのであれば、消費者保護の観点を考えると、対面での打ち合わせを不要とするルールを作ろうとするのには無理があるのではないか。対面での打ち合わせなしに適正に処理できる事務所があることが、適正に処理しない事務所の存在可能性を否定しきれないのであれば、個々の処理方針の問題というほど単純な問題ではないのではないだろうか。

*2:だからと言って、何でもかんでも対面の打ち合わせにすればいいという問題ではないのも体感するところ。打ち合わせの内容と性質等に応じた使い分けが必要かつ重要ということになるものと考える。

*3:メーカーであれば、製造現場で日々製造作業に従事している方々はその種の意思疎通を図る頻度や必要性が相対的に少ないことは言うまでもない。そういう方々がその種の意思疎通が得意かどうかは、人によるのだが。

*4:内部通報の窓口に関与していればその種の話が持ち込まれることはある。

*5:相談に来た問題とは別の問題であることもあり得る。

*6:これ以上の詳細は気まずいので書けないが。