まず最初に

益体もないメモ*1。例によってこちらの経験・体感に基づくものなので、異論があり得る内容であるうえ、こちらの現在過去未来の言動との整合性は例によって高い棚の上にあげていることをあらかじめ付言しておく。

 

幸か不幸か、回数が他人に誇れるほどではないとしても、これまでM&A案件に何度か関わったことがある。そのうち、自社が買収側の案件で*2、かなり初期のうちから関わる際には、最初に訊くようにしている一言がある。大要「誰がPMIを仕切るの?」というものである。

 

買収の場合、自社に何らかの戦略があって、その実現手段として買収がなされるのが通常と思われる*3。そしてその実現手段の買収は、それが円滑に実現(クロージング)されることはもちろん重要だが、それは元々の戦略の実現のスタートラインに立つことに過ぎない。買収した企業単体または自社グループの他企業との協業を通じて、もしくは、買収した企業の自社グループ企業への取り込みを通じて、戦略目標(シナジーの実現等による売上拡大等だろうか)を実現することが本題のはずである。そして、その本題のためには、買収後の統合プロセスのPMIの重要度がより高いと考える*4*5

 

そして、買収のプロセス自体もPMIを睨んですべきなのではないかと考える。DDについても、その一番の目的は、買収の可否及び買収価格の決定等であろうが、その過程で判明した問題点で対応すべきものは、買収完了の前提条件として買収完了時までに治癒しなければ、PMIの過程で対応することになるだろう。また、DDで調べるべき項目も、法務・財務経理・税務辺りはそれほどではないのかもしれないが、PMI以後の事業展開次第では変わることがあるのではないかと感じる。そういうことを考えると、PMIを仕切る人間が決まっていて、その人間がDDからしっかり入って、見ていくのが良いのではないかと考える。特に事業に直接関わる部分については、自分が対応する前提で調べものをするのと、他人が対応する前提で調べものをするのとでは真剣度に差異が出るのではないだろうか*6

 

そのように考えるので、前記の問いを発することにしている。これまでのところ、明確な答えがあったことの方が少ないのだが...*7

 

*1:経験値の高い皆様にとっては大した内容ではないことも付言しておく(これはいつだってそうだろうが)。

*2:売却側も、何度か関わったことがある。

*3:常にそうだとは言い切れないし、戦略と言ってもどの程度精緻化されたものかも状況次第で異なるが…。

*4:なお、PMIは自社の従前の仕組み(ITシステムを含むがこれだけではない)との接合が一定程度求められ、その際には自社の既存の仕組みの理解が求められるため、外出しがしづらいという側面があるように思う。

*5:PMI段階での法務については、ガバナンス体制、コンプライアンス体制の統合等が含まれることになろう。

*6:逆に一定の知見のある専門家が調べる法務や経理財務税務辺りは、PMIがどういう方向性でもあまり大きな差異は出ないのではないかと感じているが、どうだろうか...。

*7:これはこちらのこれまでの所属先の問題という気もする。