漸く一通り見たので感想を簡単にメモ。個人的には非常に面白かった。
The Beatlesについて、当時の彼らの映像やメンバー自身及び彼らに仕事上近しい方々(Brian Epstein、George MartinやNeil Aspinall)自身が語った言葉でつづったドキュメンタリー、というところか。90年代に制作され、その際には2曲Johnの残したデモに残りの3人(当時はまだGeorge Harrisonも存命だった)が手を加えた2曲も出され、CD2枚組×3の音源も出たが、当時は僕は映像までは見ていなかった。今回、技術の進歩でノイズの除去ができたことからNow and thenがリリースされるなどしたうえに、新たな章(エピソード9)を追加して、ネットで公開された。Disney Plusにカネを払うのは気に入らないが仕方がない。
約1時間ごとにエピソードが分かれていて、8までで前史から解散までを語っている。8時間程度で、演奏も含まれているから、それほど長い時間ではないので、細かい話は入っていないが、それでも、彼ら及びその周辺の方々が語る、半ば「公式」な彼らの歴史(彼ら自身も認めているように、彼ら自身の見方も各人で異なっているので、一つの公式なものとしてはまとめられていない)としての価値は高いと思う。彼らに関心があるならば見ておいて損はない。彼らの音楽を中学ぐらいから、聴き続けている(距離感はいろいろあったが)ので、知っている話もそれなりに多かったが、知らない部分も多く、個人的にも見て非常に面白かった。
以下見ながら呟いたことを箇条書きでメモしてみる。
- エピソード1は、前史とも言うべき部分をあっさりとまとめているというのがこちらの印象。全体のバランスからすればこの程度なのだろうが。とはいえ本人たちの言葉があるのは強いのだが。
- エピソード2は、アメリカ上陸の所までだった。思っていた以上に戦略的だったというのが印象。その辺はBrian Epsteinの手腕のなせる技なのだろう。
- エピソード3は、アメリカでの成功、マイアミでの休暇、ツアーと映画A hard days' nightの公開まで、というところ。DCで3人が一本のマイクでThis Boyを歌うシーンやマイアミでのカラー写真が印象に残る。
- エピソード4はMBE叙勲後のシェイスタジアムでのLIVEの直前まで。彼らのアイドル的な人気の凄さやそのためにLIVEでは自分たちの演奏が自分たちにも聴こえていないというあたりが、この後の伏線になっているとも感じる。この辺りまでは、無邪気に見ていられるところ、というところか。
- エピソード5はRubber Soul,Revolverのアルバム制作やLSDへの接近の話とともに彼らがライブ中止を言い出すまでのあたり。フィリピンでひどい目にあったことや技術的な限界を考えると当然のことかもしれない。日本公演については、良い評価だったようで何よりというところ。
- エピソード6はJohnの失言等もあってツアーをやめてスタジオにこもりSgt. Peppersを作り、All you need is loveを衛星放送で歌うところまで。67年時点でツアーをやめたことで解散を疑う声が出ていたというのは個人的には意外だった。
- エピソード7はインドへの系統とEpsteinの死去に始まり、Yokoの登場もあって、White Albumの制作までが描かれる。崩壊の予感が随所に出てきて、やや憂鬱になるが、個人的には知らない話も多く、見てよかったのは確か。
- エピソード8はHey Judeから始まり、Let It Beセッション(roof topも含め)をへてAbbey Roadの録音を経てグループが終わるところまで。少年たちのグループが大人になってグループが終わったというのが正直なところなのだろうと思った。
- エピソード9は、今回追加されたもの。アンソロジープロジェクトそのものについて語られるとともに、Johnのデモを基にプロジェクトで録音された3曲についても語られる。1991年に始まったプロジェクトで、そのくらい時間を置く必要があったという指摘に納得する。