例によって益体もないメモ。
萌渋スペース*1等いろいろな場所でご指導をいただいている経文緯武先輩のエントリに接した。萌渋スペース打ち合わせ用のクローズドなチャット(通称「ブルペン」)での某書籍*2についての感想から始まったやり取りを、AI経由でまとめておられる。いつものような含蓄に富むエントリになっておらず、意識高めな感じにまとまっているが、これはこれで味わい深いものを感じる。
ご指摘については、そういう視点で考えたことは、不勉強ゆえになかったものの、納得するところであり、特に異議を申し述べるものではない。
とはいえ、それだけだとつまらないので、細かい点で恐縮だが*3、こちらの断片的な考えを、いくつか箇条書きでメモする形で補足してみたい。
なお、以下は、こちらの考えであって、経文緯武先輩やくまった先生とは考えの異なるところがあるかもしれないことをあらかじめ付言しておく*4。
- 3つの軸のうち、法律力を理屈を形にする力については、そこでいう「形」がいかなるものであるかが重要ではないかと感じる。「形」にする意味は、法務の担当者*5が、社内の関係者(依頼者という言い方でも良いかもしれないが、直接依頼されている以外の者も含みうるだろう)に対して、「形」にしたものを提示することにより、社内の意思決定の「流れ」をあるべき姿にすることにあろう。そうなると、仮に事実関係などが全く同じであったとしても*6、「形」にしたものに接するであろう当該関係者の能力などによって、その「形」の受け止め方が変わるであろうし*7、それ故に「形」はそのことを前提にして、個別具体的な状況への対応として、いわばカスタムメイドで作られることになろう。
- コミュニケーション力を「流れ」を「整える」力、というのもなるほどと思う。ここでいう「流れ」は、企業の意思決定としてあるべき「流れ」であって、「流れ」の結果として最終的になされる企業としての意思決定が経営判断原則で保護可能なものとなるようすべきではないかと考えるので、その中に何が含まれているべきか、ということの吟味も含まれるのではないかと考える。
さらに、その「流れ」が「整って」いることを記録化し、保存しておくことも、後日の代表訴訟リスクなどを考えれば、その職責のうちに含まれると考えておいてよいのではないかと考える。
また、ここでいうコミュニケーションは、直接的なものだけに限られないことも留意すべきかもしれない。 - 現場解像度を現実を読み取る力という指摘もなるほどと思うが、ここでいう「現実」という言葉には注意が必要だろう。読み取ったとしても、それに隷従するのでは、読み取った意義が減殺されることになるだろう。読み取った内容と、読み取った内容にどのように対応を考えるか、ということを意識的に区別することが重要ではないかと考える。結果として、引きずられるのと変わらない意思決定がされたとしても、一旦立ち止まって、平場で冷静に考えてみることは重要ではないかと考える*8。
*1:最近できていないが...。
*2:先輩もこちらもあえて書名を挙げていないというところに如何なる意味があるかというと...(謎)。
*3:したがって、経文先輩のエントリの価値に影響するものではない。
*4:ついでにいうと、こちらの現在過去未来の所属先とも関係ないし、こちらのこれまで/これからの言動との整合性は、例によって高い棚の上にあげていることも付言しておく。
*5:以下では例により資格などは問わず、部署の名称も問わない、機能としての法務(その意味は広めに考えている。)の担当者を意味するものとしておく。
*6:非現実的な仮定であることは言うまでもない。
*7:場合によっては「形」以前に治癒不能な問題が発見され、法務担当者が転進を考える方が良いということすら想定可能だろう。
*8:今後は、その重要性は、いろいろな意味でますます増すのではないかと懸念している。