契約法[第4版] セカンドステージ債権法I (法セミ LAW CLASS シリーズ) / 野澤 正充 (著)

 

一通り目を通したので感想をメモ (...のはずが最後まで読めてないけど、おもうところあって、一旦upする。あとで加筆修正予定→以下読了後に加筆した。)。良い本と感じる。

 

司法試験はかろうじて債権法改正施行前に通った世代ということもあり*1、改正法の勉強も付け焼刃感が高いので、挫折せずに読める程度のほどほどの分量の改正後の契約法の本に目を通そうと思った。受験勉強で使った「潮見イエロー」の改訂版でもよいのだろうが*2、いかにも受験用的な感もあり*3、違う本が読みたいと思ったのと、たまたまlegal libraryで調べ物をしていて、本書がヒットしたので、そのままlegal libraryで本書を読み始めた次第。

 

330頁余と通読可能な程度で契約法全体についてまとめていて、上記のような目的で読むのにはちょうどいい感じなのではなかろうか。司法試験の受験勉強に使うのにも、悪くないのではないかと感じる。

 

全体は2部構成で、100頁程度の総論と各論からなる。総論部分では、契約の成立、効力、解除の説明の前に、事情変更の原則や契約締結上の過失、あたりの説明が来る形なのが個人的には興味深く感じた。これらはある種の例外事情という気がするので、契約の成立等の原則的な話をしてから、という解説の仕方が良いのではないかと思っていたので。各論では、典型契約ごとに解説があり、最後に典型契約の意義が説かれる。マイナーな終身定期金についての解説も興味深く感じた。典型契約の意義についての最近の議論は、個人的には納得するところがあった。

 

債権法改正後の本ではあるが、改正前の話も相応に言及されているが、瑕疵担保責任の法定責任説などの話はここまで厚く解説しなくてもよいのではないかという気がしたがどうだろうか。他方で、債権法改正での改正点について、民法では...とした、という書きぶりなのは、やや読みづらく感じた。債権法改正での改正点である旨記載してもよかったのではなかろうか。

 

通読可能な分量で、淡々としすぎない(自説もそれとわかる形で控えめに記されている)ので、良いのではないかと感じた。

*1:改正前に合格しないと面倒なことになるというのが合格に向けてのプレッシャーになったのは確か。

*2:潮見教授の早世で改訂されなくなるのかと思いきや、次の世代の方々が改訂されるようだし、そうであれば買うのは買うのだが。

*3:司法試験の契約法の範囲であれば、特に可処分時間の限られている有職の受験生にとっては、分量が多すぎず最適ではないかと今なお思っているのは確かだが...。