たまには上から

呟いたことを基にメモ。管理職目線でみて気になることのメモ。

 

契約書審査について全件ダブルチェックをすることの当否が議論されているのに接した。

 

こちらの現職では、契約書審査に限らず、法務から折り返す内容については、性質上可能な限り*1、複数の目で見て返すようにしている。これは僕の入社前から続けられてる。見落としを防ぐ意味では、複数の目で見ることには相応に意味があると思う。

この点、契約交渉上、修正の余地がないようなものについて、その必要性に疑義が示されているのにも接したが、そういう性質のものであったとしても、契約履行過程での注意事項のチェック・注意喚起には意味があるから、そういう内容での折り返しに際して*2、複数の目で見ることには、なお相応の意味があるのではないかと考える。

 

そういう契約審査の過程については、こちらの現職では、法務共用メールアドレスがあり、そこは全員で見ることができるので、法務担当者からの折り返しの際には、そのアドレスから、または、そのアドレスを㏄に入れて、出してもらうように下の方々にはお願いをしている。そうしないと、こちらは下の方々の対応状況を確認できないから、こちらの下の方々における人事評価に反映させようがなくなる、旨付言している。

そのうえで、そこでのやり取りは時折見ている。以前は全部見ていたが、今は見切れていない。見た範囲で、疑義があれば、「脇からすいません」などと言いつつ介入したりすることもある。

こうした介入は、話がおかしくならないようにする意味では、必要なことがあるのも間違いない。他方で、「上」が見ているということで、下の方々が無用に委縮して、こちらの意見の伝書鳩にしかならず、本人の主体性が弱くなったりする懸念があったり*3、それとは別に、変なこと言ったら突っ込んでくれるだろうと考えて甘えてしまうような副作用があるような気がしている。なので、上としてはその匙加減を考える必要があるような気がしている。こうした辺りは、要所は抑えつつも、如何に下の方々にのびのびと動いてもらうか、こちらの腹の括りの問題という気がする。

 

*1:機微性の高いものでは、こうした体制を貫徹するのは困難で、そういうものは、僕が一人で何とかすることになるのだが...。

*2:契約交渉をする前提でないので、内容検討のありようが異なるものとなることが考えられるだろう。

*3:それだと当人の存在価値がないのではないかという疑念も出てきかねなくなるとも懸念する。