こちらの呟きを見て、読みたくなったので、近所の図書館で目を通してみた。
吾妻ひでお氏の失踪中及びアル中での入院中を状況を描いたもの。よく考えると洒落にならない事柄について、氏の独特のタッチで描かれている。リアルに描いたら、暗く辛い内容になり過ぎて、読むのがとてもしんどくなりそうなので、リアリズムを排除した(と冒頭に記載がある)というのは適切なのだろう*1。あまり描かれていないが、ご家族の方々は、当時は諸々大変だったのではないかと思われる。
面白く感じたのは、ホームレスのときも、失踪してガス工事に従事していても、はたまた、アル中で入院していても、氏は、それなりに状況に対応して、勤勉に生活しているようにみえるところ。先の呟きに出ていた、ガス会社の社内報に漫画が掲載されるとか(東英夫とあっても気づかれないのが残念なところだが。)がそうなのだが。
巻末にとり・みきさんとの対談が載っている。吾妻さんが俯瞰する感じで作品の内容を語っているのを読むと、作品中の挙動とのギャップに驚く。とりさんが語る作品の絵のすばらしさについての分析も、流石プロの分析と感じ入る。
続編のアル中病棟編もおって目を通してみる予定。
*1:巻末の対談でも本当に悲惨だったことは描いていないと述べられている。