モチベーションについてどうしたものかと思うことがかつてあって、そういうときにブックオフで見つけて、なんとなく買っていた本。今更だが一通り目を通したので感想を簡単にメモしておく。
とりあえず個人的なモヤモヤはあまり解消できなかった(そもそも本で解消するようなものではないという気もするが…)が、この分野に関するオーソドックスと思われる内容を簡潔に概観できるという感じであり*1、その意味では、特に他人のモチベーションについて配慮をすべき立場であれば、目を通しておいても悪くないかもしれない。多少記載が古いと思われるが、こちらはその点は気にならなかった(こちらの歳のせいかもしれないが)*2。
古い本ではあるが、他方で、書いてある表層的な部分の様相を変えてみると、今でも当てはまることが多いのではないかと感じた。リモートワークによる疎外について、インターネット以前からも指摘があった(本書ではFaxでのやり取りを通じたそれが指摘されている。)し、フリーターについての議論は当節のいわゆるギガワーカーについての議論に重なっているように見えたりした。人間の持つ合理性の限界や感じ方という辺りに根ざした話は、多少技術が進歩しても、根幹の部分が同じである以上、議論の妥当性に大きな変化は生じない、ということなのかもしれない。