月刊法学教室 2022年 08 月号

目を通せた範囲で感想を箇条書きでメモ。

 

*こちらもここ数カ月は、諸般の都合で目を通せる範囲が少なくなっている。残念な話だが...。

 

  • 巻頭言は、憲法で定番のフランス人権宣言第16条の意味についての小島先生の解説。当時の状況も踏まえての解説は、なるほどと思う。

  • 法学のアントレは法学部生と図書館という話題。確かに他の学部とは図書館との距離感が違うと思う。他大学の図書館を使うことはしたことがなかったのが惜しまれる。

  • 法学を旅するは、「地域の中で社会復帰する」ということ。刑事政策については、一切学んだことがないので、なるほどと思いつつ読む。社会復帰周りはどうしても地域性の影響を受けざるを得ないのは納得するところ。

  • 判例セレクト。
    憲法あん摩マッサージ指圧師養成施設非認定事件上告審判決は、規制目的二分法のようでそうでもないというあたりの解説が面白かった。
    行政法の土地建物の財産の評価通達による画一的評価(以下略)の件は、画一的評価が適切でないとする判旨の判断基準は、分かるような気はするけど予測可能性が高くなさそうでこれでいいのかという気がしたけど、どうなのだろうか。
    刑法の、農地法上の許可未取得の委託に基づく登記による脳裏の占有と横領罪における委託関係の件は、農地法違反が横領の成否にどう影響するのかという部分が興味深く感じた。

  • 演習。
    憲法。催事の警察による軽微というと昨今の某事案を想起してしまう。目的効果基準に関する最近の判例を踏まえて、目的効果基準の包摂と評しているのはなるほどと思う。
    行政法取消訴訟における訴えの利益など。都市計画法の開発許可について、一旦開発行為が終わってしまったあとに行為を争う方法が十分用意されていないのではないかという気がした。
    民法演習。賃貸借。不動産賃借権に基づく妨害排除請求の可否とかすっかり忘れている。普段使わない話だから仕方ないのだろうが。
    商法演習。大河演習ファンとしては、qがモグモグしていたのがフライドポテトなのかは気になるところ。Aが新興宗教にのめり込んで云々はタイムリーな気もするがどうだろうか。株主に生じた間接損害と429条1項責任の解説での久保先生の見解は興味深く拝読した。

  • 水野先生の家族法の講座。実親子関係の難しさが他国の制度との比較で語られていて興味深く、特にDNA鑑定に対するフランスでの見方が興味深かった。ただ、そもそものこちらの家族法の理解が怪しいので、どこまで理解できたか怪しい(汗)。