WLBについての何だか

何が何だかわからないが、呟いたことを基に脊髄反射的にメモ。

 

Work Life Balance(WLB)とかインハウスネタについては、定期的に炎上しているような気もするが、気になる複数の呟きに接したので若干のメモ*1。過去に書くなどした内容と重なる部分があるかもしれないが、そこはご容赦を。

 

前提として、例外もあれど、相対的には、インハウスの方がWLBを向上させやすいというのは争いのないところだろう。子育て中で、お子さんの状況によっては*2、働く時間に大きな制約が生じることもあり、そういう状況も含め、ライフステージなどによっては、WLB向上を図らなければならないときがあるのは間違いない。

 

個人的には、そういう判断に至った経緯はどうであれ、WLBの向上を目的に企業内にはいるという選択はあり得ると思う*3。それをとやかくいうのは適切ではないと思う*4

 

とはいうものの、転職の面接のときに、その点が最大にして唯一の転職動機と表現することは適切とは言い難いと思う。決断に至る動機としてWLBを認識するのと、特定の企業での面接で転職動機を聞かれたときにそれをいうことの適否とは別異に考えるべきと感じる。WLB向上目的という点を伏せるというのは、報酬水準が下がって、WLB向上目的が見え見えのときには、誠実に質問に答えていないと受け取られかねず、却って逆効果だろう。

他方で、それ以外の動機がないと、なぜ、この会社なのか、という積極的な動機がない、他の会社でもよいと考えているという受け止め方がされかねない。そういう志望動機の「薄さ」は、状況次第では採用に至るケースもあろうが、他の候補者との競争になった時には、不利に作用する可能性も想定される。

結局のところ、志望動機の中に入れるべきではあろうが、表現の仕方を考えるとともに、他の動機も交えてバランスを取ることが重要なのだろうと感じる。

 

なお、ここで留意すべきは、上記のとおり、相対的には、インハウスの方がWLBを向上させやすいが、そのことは、インハウスの方が「楽」であることを意味するとは限らないということだろう。労働時間とかについては、負荷は減るかもしれないが*5、今までは依頼者側の事情として、勘案する必要のなかったかもしれない事情(法律的には無関係のものも含む)はより強く出てくるし、社内政治にも巻き込まれる可能性はある。労働時間は短いが、逆にその時間内での勝負が求められるし、文献などのリソースは減る場合もある(増える場合もあるが)。また、大きな組織の一員となるので、馬鹿げているように見えても従わないといけないことも増えてくる。分かりやすそうな一例が、フレックス勤務の場合を除き、定時に出社またはPCの前にいることを強制される点だろうか(もっとも、相談可能な状態を確保するという意味では、意味がないというのは、おそらく不当というか、理解不足な気がするが)。時間の自由度の高い生活に慣れすぎると、これは「楽」とは感じないだろう。何かが相対的に「楽」になる分、その逆になるものがあることは、想像に難くないのではないか。

 

有資格者の場合は、選択肢が企業内と事務所と両方あるというところで、個別具体的な状況下において、手持ちの選択肢のそれぞれの好ましい面とそうでない面と両方十分に検討したうえで、判断すべきということなのだろう。その意味では「インハウス=楽」という単純すぎる図式的な理解はおそらく適切ではないことの方が多いのではないか。

 

追記:upしてから、そもそものポジション次第でこの辺りは変わるから、それを踏まえるべきとのご指摘に接した。確かにそうなのかもしれない。こき使う前提?で相応の金額の出る外資系と、金額的に(自粛)なJTCとで一律に論じられないというのはそうなのかもしれない。

(とはいえ、一応上記は残しておく)。

*1:呟きをされた方々に対して文句をいう趣旨ではないのでリンクなどはしない。

*2:ここの状況はお子さんの状況やその周囲の状況次第のところもあり、一概に何かを言うのは困難と考える。

*3:「WLBだからインハウス、なんて明らかに舐めてる。」という言葉にも接したが、そういうことを仰る方のところは、結局そういうことを仰るインハウスの方が、上司としてWLB追求の上での「障害」となる可能性すらあるので、行かないほうが賢明だろうと感じる。そういう意味では、落された方が良いという結論になるのではなかろうか。

*4:あくまでも本人の選択としてそういう選択もあり得るということであり、酷使する側が辛くなったらインハウスということを言うのが、適切かというと、それは違うのではないかと僕は思う(思い出したことがあったが略。)。

*5:ここも個別具体的な状況次第ではそうとも言い難いことも理解しておくべきだろう。