図解でわかる! 環境法・条例―基本のキ― 改訂2版/ 安達 宏之

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ざっと目を通したので感想をメモ。この分野に用事がある可能性があるなら手元にあれば有用かもしれない一冊。

 

自社内に製造施設のあるメーカー(所謂ファブレスでないところ)だと、製造施設等に関する環境規制というものへの対応というのが必要になる*1。とはいえ、所謂法務セクションがこれらの規制への対応について第一義的にあたることはあまりないのではないかと思う。理由は簡単で、法令であれ条例であれ規制の文言それ自体は読めても、当該規定を適用したらどうなるのかについては、施設や取り扱う物質への知識が必要なところ、法学部系のバックグラウンドのある法務の担当者にはそういうものがないから、適切な判断が困難となるからである。法的三段論法で言うあてはめが困難というわけである。そして、それゆえに問題が判明しても改善策なども提起することができないということにもなろう。寧ろ、そうした分野に知識のある理系の方々に、規制についての理解を深めてもらって、文言解釈などについて必要に応じて相談に応じる方が効率的と言えよう。

 

とはいっても、何も知らないのもどうなんだ、というところもあり、本書が出たところで購入してみた。網羅性という意味では「ISO環境法」とかの方があるのだろうが、正直興味のない分野の法律とか、化学物質とかの名前がずらずら出てくると、それだけで読む気が失せるので、分量的には、本書程度が、こちらの忍耐力の限界というところ。それでもざっと目を通す程度*2でしかなかったのだが。

 

本書は、環境コンサルの方々が、主に技術系の方々に向けて環境規制について解説しているものと思われ、最近の本の割に縦書きというのが個人的には印象的。網羅性には欠けるものの、要所についての簡潔な解説というところであり、環境規制に直接対応される方々にとっての最初の一歩となるものと思われる。また、それととともに、図表を使って、文字が多くならないようになっていることもあって、企業(特にメーカー)の法務セクションの方々にとっても、この程度であれば、関連する相談が来た時の対応の足掛かりになるので、理解しておいて良いのではないかと思う内容にもなっている気がした。なので、企業の法務セクションにおられる方々にとっても、手元にあれば有用な一冊ではないかと考える*3

*1:それ以外の企業でも社屋施設がある限りはそれら建物に対する一定の規制は存在するので、それら規制への対応が必要なのは同じなのだが。

*2:さらにいえば目が活字を滑る感じで内容があまり頭に残らない感じだった。その程度で感想を書くなというご批判もありそうだが...。

*3:最悪読まずにおいておいて、何か相談などが来たらその時に非辞書的に紐解いて、というのでも足りるような気がする。物事の優先順位からしたらそう言う対応で足りることの方が多いかもしれない。