「公用文作成の考え方」に目を通して見た

備忘のためにメモ*1

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とりあえず、某先生ではないが、横書きの公用文における、読点として「、」が採用になったという点が目を引いた。企業内では気にすることはないが、裁判所に出す書面とかでは、いちいち「、」を「,」にするのは、無意味な手間と感じて、負担感が強かったので、歓迎すべきという気がする。

 

その他の点も、公用文を書くわけではないから、全部見習うべきもの、とまでは考えないが、参考に出来るところはしてみたらよいのではないかという気がしている。もっとも、いちいちこの文書を参照しながら文章を作るのは正直困難なので、仮名遣いとかはWORDの校正機能に委ねるというのも手なのかもしれないが*2

 

最後に、内容のうち、個人的に印象に残ったところをメモしてみる。

  • この文書及び解説について一通り目を通して見たけど、文書による意思疎通(コミュニケーション)が行政の根幹をなす所為か*3、実に様々な文書が出されているのに驚く。検索の容易性等も考えると、一つにまとめた方が良いのではないか。
  • 想定される読み手に応じて、文章の内容、文体、表記に配慮するという点が明示的に示されている点が興味深い。情報伝達の実効性の確保ということを考えれば当然のことかもしれないとも思うのだが。この辺りは自分の現状の業務において書くものについて、十分配慮ができているか、反省するところである。
  • 厳密さを求めすぎない、という点も同様に反省すべきところ。当該文書において求められる正確さ、ということは、特に経営層向けの文書については、簡潔さへの要請が高いことも相まって、よく考える必要があると思う。
  • 違和感を覚えたことのうち一つだけメモしておくと、常用漢字表にない漢字は仮名書きというところ。改竄を改ざんとしたりするのは、行為の悪質さを隠蔽するかのごとき印象があって、読み手を莫迦にしているような気もする。この辺りは、個人の感じ方の問題でもあるのだが...。
  • (up後に追記)書いておいてほしいことで書いていないことを思い出した。公文書には、文書のファイル単位で個別に作成日というか発出日を書くのを徹底してほしい。検索して出てきても、いつ時点のものだかわからないとどこまで参考に出来るのか吟味がしづらくて使いづらいので。せっかく丁寧に事実関係を調べたうえで書いているのに勿体ないという気がする。

 

*1:後で探しやすくするために、エントリを立ててリンクを貼っておくというのは、結構便利な気がしている。

*2:例えばこちらを参照。

*3:その割に、文書の作成の有無を含めた、公文書の扱いについて、いい加減というか、特定方面への忖度が前面に出過ぎているのはどういうものかという思いを禁じ得ない。作成すべきものの作成と改竄しない形での保管については重い制裁(政治家については関与した場合は被選挙権の剥奪が政党ではないか)を課すことと、アメリカのように一定年数経過したあとの強制公開は必須とすべきではないかと考える。