法律とそれ以外との間で

何だか良くわからないが呟いたことを基に、備忘の意味も込めてメモ。

 

先般のエントリについて、TL上で法律だけやるのが法務ではない、というご指摘をいただいた。昨今の所謂CGコードをはじめとする所謂ソフトローとか、企業倫理というあたりを考えると、ご指摘は納得するところではある。

 

しかしながら、個人的には違和感がある。法律は、あいまいなところがあっても、一定の規範があって、それに基づいてモノを言うことになる。個人の主観とは一応別の何ががある。それは所謂ソフトローについても、質的な差異はあるものの、ある程度は同じことが妥当する。その反面で、倫理は、そういうものがあるとは言い難い。自分の主観的な「お気持ち」を述べているのと区別しがたいように思う。前述の指摘のスレッドでもご指摘をいただいたように、消費者系のところとかでは、この両者を区別しがたい領域があるのも事実だろう。ただ、倫理については、ソフトローまで含めた法とは、前記の意味で異なるという点には変わりはない。

 

もちろん、こうした区別をした形で何かを語ることはできない、とまでは思わない。とはいえ、語られた内容におけるそのあたりの区別を、受け手が正確に理解する保障はない。その結果として、自分の「お気持ち」に等しい言辞が、「規範」として独り歩きしかねないという危険は払拭し切れない気がしている。個人的にはそこに違和感がある。特に自分が法務の管理職として語るとなると、前記の危険度は高くなる気もする。

 

いずれにしても、自分の語ることの足元に何があるのか、常に虚心坦懐に見つめていくしかないのだろう。