考えた末に

戦士さんのエントリを読んで感じたことについて、呟いたことを基に脊髄反射的にメモしておく。

 

戦士さんの指摘、特に「ただ、」以下の部分は納得するところだけど、それでもなお、個人的にはスタンダードに行くという選択は、アリ、という気がしている。

 

何より「プライム」での上場を維持し続けることの費用対効果は合わないことが見た目よりも多いのではないかと感じている。「プライム」市場の要求を満たすため、及び、満たしていることを利害関係人に示すためには、費用負担は相当重いというのが体感しているところである。特にTCFD周りについては、ゼロから準備するには相当負担が重いように思われる。こうした費用に見合うメリットが本当に存在するのかも、必ずしも明らかではない。そうなると費用対効果という点でかの市場区分を維持することが正当化されるのか、疑問を禁じ得ない。さらにいえば、今後「プライム」に対する制約は増えこそすれ減ることはないのではないかとも感じている。そういう認識に立つと、費用対効果に見合わない市場区分に固執することが、株主に対する責任の果たし方として意味があるのか、という疑問は残らざるを得ない。

 

そういう意味では、考えた末に、メリットがあるとしても費用に見合うかどうかわからない「プライム」に拘らないという決断をしたということは、自社の身の丈と費用対効果を踏まえて決断ができていること、流行りに惑わされずに冷静な決断ができていること、といえ、それ自体高く評価すべきなのではないかと思う。少なくとも、碌にモノを考えずに見栄を張ってプライムに行って数年で耐えられずにスタンダードに行くよりは、ずっと真摯な対応という気がしている*1

*1:前記は、多少挑戦的な形になるが頑張ってみようと判断をしてプライムに行ったものの、やはり維持困難となった場合とは、意思決定の質が異なることはいうまでもない。