脊髄反射的なメモ:取締役会議事録について

例によってメモ。以前エントリに書いたことと重なるが、その辺はご容赦を。

 

取締役会議事録について、大要、その場で作って、その場で内容確認まですれば効率的という呟きに接した。それが本当に可能であればそのとおりなのかもしれないが*1、これまで何度か経験した中では困難というのがこちらの体感。

 

出席者が事実誤認に基づく発言とかをしている場合や、内容的に語弊のある発言をしている場合(露骨な個人の批判とか)等、発言をそのまま記録に残してよい内容かどうかの検討が必要なことがある。取締役会できちんと実質的な議論をしているのであれば、その事実は議事録の形で残しておくべきではないかと思うし、特に社外役員との関係では、再任のための議案関係の資料を作成するうえでの資料を残しておく意味でも重要だろうと思う。その反面で、会議の場での自由闊達な議論を促すためには、その場での発言は発言としつつも、文字にして残した場合に無用な疑義を招くような文言は残さないなどの配慮を、議事録作成段階ですべき場合があると考える。企業の公式な意思決定の記録としての取締役会議事録の「重み」を考えれば、こうした配慮の必要性は高いと思うところである。こうした配慮をする場合に、必要な検討をその場ですぐにできるとは限らない。記録のドラフトを作る人間がすべてを把握しているわけでもないので、その場にいない直接の担当者に確認することが必要となることもあろう。遠隔地の子会社などの案件では、担当者が異なるタイムゾーンにいることも想定される。そういう目的のために待機を求めることができるとも限らないだろう。

 

それとは別に、昨今のリモート環境下では、通信状況次第では、回線の向こう側の発言者の発言が聞き取りづらいこともある*2。そういう場合に、メモ取りのために話を遮って確認することができるとも限らない。聞き取れないときは、録音していればそれを再度聴く、そうでなければ同席者に確認するなどするしかないが、いずれにしても相応の時間がかかる。

 

そんなこんなを考えると、その場で確認までするのは困難だろうというのがこちらの感想である。

*1:この問題は会社の属性には関係ないと考える。所謂JTCか、キラキラ系とか、そういうものとは関係がないし、そういうものに結び付ける発想は、無意味というか有害ではないか。

*2:ましてや回線の向こう側の発言者がマスクとかしているとさらに聞き取りづらいことも考え得る。