脊髄反射的なメモ:モノには限度が

例によって、呟いたことを基にした脊髄反射的なメモ。

 

会社のインシデントは法務の日常、という危機管理系の弁護士さんの呟きに対して、そんなインシデントが日常の法務の会社はさっさと辞めるべきという企業の中の方の指摘に接した。そういう経験があるわけではないが、深く頷くところである。

 

単なるトラブル以上のインシデントが日常化しているというのは、ある意味で企業の根本に深刻な問題を抱えているのであって*1、職位に拘わらず、企業内法務の担当者が何とかできるものではないというべきだろう。もちろん個別の事象に対しては、企業内法務の担当者としては、そのトラブルシュートに留まらず、再発防止まで対応すべきであるが、企業内法務の人間ができることには限りがあるのもまた事実だろう。

 

そういう意味で、日常化しているインシデントに、外からではなく、企業内で関与し続けるのは、身の安全の確保という点ではお勧めしがたい気がする。その種の業務にはストレスが通常業務よりも多くかかるだろうから、それが常態化するのは、心身の健康にもおそらくよろしくない。この種の事態に、企業の外から関与するということは、おそらくその企業以外からの収入があるということを意味するのに対し、企業の中で関与するということは、その企業以外からの収入はあまり期待できないだろう。そういう立ち位置での対処には余計にストレスがかかることになろう。衣食足りて礼節を知るではないが、その差は大きいと感じる。

 

ある意味で、インシデント対応という危険物処理は、企業内では個別案件処理として対応可能だろうが、企業自体が危険物化しているときは、中で対応するのは、危険が大きすぎるというところだろうか。自分がそういう立場にないと思っているから、そういうことが言えるのだろうとは思うけど。

 

*1:企業の体質の問題という指摘もいただいたがその通りだと思う。