サイレント修正について

呟いたことを基にメモ*1。何をいまさらという部分の説明も追加で書いてみた。知らない人がいるかもしれないので。

 

契約交渉で、契約書ドラフトのファイルをやり取りすることがある。その際、自社側が、今回どこの部分に手を入れたかについては、分かりやすい方が話が早いように思う。そのためには、修正履歴を使うのが通常。要するに、加筆修正した箇所をそれとわかるように表示する機能を使うということ。具体的には*2、次の手順を取ることになる。

校閲」タブ→「変更履歴」のプルダウンメニューを押す→「変更履歴の記録」を押す

 

これで記録を残すプロセスが開始される。いちいち面倒であれば、ctrl+shift+Eで開始される*3

 

こういうことをせずに、変更箇所をそれとわかるように明示せずに、しれっと修正を加えてくることが有る。これをやられると、色々と面倒になる。

 

逐一比較しなければならないというのは、その通り。どこを勝手に?修正されているかわからない、ということになるから、全文を確認する必要が出てくる。以前はそれ用のツールが別途必要でそれがない限りは、目視で確認するしかなかった。今は、その機能がWORDに標準装備されているので、次の方法で確認は可能である。

校閲」タブ→「比較」のプルダウンメニュー→「比較」のボタンを押す→「元の文書」と「変更された文書」で、元のファイルと、比較対象のファイルを選択→「OK」

とすると、元の文書を修正履歴を残しつつ加筆修正して、比較対象のファイルとなるものが生成される。

 

ファイルサイズが大きいと比較作業にも多少の時間はかかるが、こういう形で、比較は可能。勿論修正履歴を取り忘れたときにもこの機能を使って修正履歴を示す形にすることも可能。

 

こういうことが出来るにも拘わらず、しれっと黙って履歴を残さずに修正案を示してくるとなると、故意に、黙って修正を通そうとしたのではないかという強い推定が働くわけで、そうなると、契約交渉の相手方への信頼や敬意はなくなり、交渉に際しては厳しい態度になることも想定される。

 

なので、こういうことはしないほうがいいと思う。

 

とはいえ、確信犯が一定確率で出ることは避けられないので、それを一定程度防ぐ手としては次のものがある(ここが本題なのだが)。

校閲」タブ→「保護」の「編集の制限」→「2 編集の制限」のチェックボックスにチェックをいれる、プルダウンで編集履歴を選択→3のところで「はい、保護を開始します」→適当なパスワードを入れる→「OK」を押す

 

こうすると、パスワードを破られない限り、加筆修正はできても、その内容は常に記録されることになるはず。4社目の外資では、雛型についてはすべてこれでロックがかけられていた。効率化、交渉の円滑化という意味では、あり得る対応ではないかと思う。

 

 

*1:最近は呟いたことに反応があると、気をよくして、内容を付加するなどしてエントリにすることが多いが、そういうやり方もアリかと思って、意図的にやっているところがある。

*2:以下、手元のversionは2016らしいので、それで確認した。

*3:この辺りをご存じでなく、それでいて、それらしい見た目を別の方法で作られる方がいて、それはそれで面倒、というか、今回問題にするのとは別の意味でダメージを食らうことがある...。