質問の仕方について

何だか良くわからない表題だが、自分の備忘のために若干のメモ。

 

2社目の時に法務部長*1から、外の弁護士さんに質問するときには、答えの分からない質問はするなと言われたことがあった。その発言の真意は確認した覚えがないが、想像するに、答えの方向性が見えないまま質問をして、想定外の答えが返ってくると、軌道修正がしづらくなるから、というあたりがあるのではないかと感じる。質問をする時点では質問に対する想定される答えを前提にして、一定の段取りをしていることが往々にしてあるが、その段取りについて軌道修正が必要になるような質問の仕方は極力避けるべきということなのだろう*2

 

もう一つ考えられる理由付けは、答えの方向性すらわからないと、仮に返ってきた答えに誤りが含まれていたとしても、それを見抜けなくなるというところだろうか。社内では、法務が外注先(弁護士事務所)に出した質問への答えについての責任を負うことになると考えれば、ある意味当然という見方も可能だろう。自社内で考えると、仮に外注先がミスしたとして、それを他の部署に対する言い訳にできるかというとしづらいから。

 

そうはいうものの、どんなに頑張っても人間のしていることなので、何らかの事情により誤解等が生じて、結果的に答えに誤り又は不適切な内容が含まれることは、あり得ると考える。そうした場合には、隠さずに率直に謝るべきだと思うし*3、そういうことができる雰囲気は確保しておくべきと考える。そういう意味では、変に法務の無謬性みたいな雰囲気が醸成されるとかえって諸刃の剣になりかねないと感じている。

*1:担当者としては、ものすごく優秀だった

*2:もちろん、まったく「土地勘」の働かない分野・法域についての質問については、こういう対応を貫徹できないことがあることも付言しておく.。また、時間等の関係でそこまでの対応ができない場合があることもいうまでもない。

*3:前後の言動との整合性が合わなくなると、却って事態が悪化する可能性があるので、正直なのが最善だろうと思う。