小林化工特別調査委員会「調査結果報告書」(概要版)に目を通してみた

掲題の報告書に目を通したので、呟いたことを基に感想をメモ。

ジェネリック医薬品メーカーで、製品の薬に本来含まれるべきではないものが含まれていて、服用した方に健康被害が生じたということが事の発端ではあるのだけど、第三者委員会(ただし、日弁連ガイドラインに従ったものではない。そうした点については、相応の理由もあったことに留意が必要)の調査の結果、もっと根の深い問題が判明したというところ。

 

報告書を受けての同社の会見の様子はこちらを参照。

www.mixonline.jp

 

ざっくり言うと、ジェネリック医薬品という性質上、一定の時点で薬が販売可能になるというのが決まっているところで、販売競争に負けないように、なるべく早く供給できるようにするために、形だけを整えることに終始した結果、法令上求められている出荷までの過程において踏むべき手順を無視しづつけた。上に絶対服従の組織風土が、そうした行為に歯止めをかけるのを防いだ、というところになろうか。

 

優先順位の最も高いところ(販売時期とか納期とか)のみに目を奪われて、本来であれば同時に達成すべき品質や品質を維持するための手順を無視して、そのことが露見しないように、関係するところは糊塗して回る、というのは、残念ながら日本の製造業におけるこの手の不祥事ではよく聞くところという気がする。組織風土がそれを可能にしたというあたりも含めて。内部統制とかの限界というところなのだろう。そういう意味では、メーカー法務に関わる方々におかれてはご一読いただいて損はないと考える。

 

個人的には、もともと、以前にジェネリック医薬品を使って薬疹が出て大変だった(何が問題だったのかは不明だが)こともあって、ジェネリック医薬品は問答無用で忌避しているのだが、こういう事例を見ると、忌避を続ける以外には一消費者としては手の打ちようがないのではないかという気がする。

 

今回の問題の背景には、ジェネリック医薬品特有の事情、つまり、一定の時点で薬が販売可能になるというのが決まっている中での同業者間での競争となる、というものがあるように見えて、そうなると、販売競争に負けないように、なるべく早く供給できるようにしたい、という動機がジェネリック医薬品製造業者に生じるのは否定できず、この種の事態が生じていないことを一消費者のレベルで確認することは不可能と考えるから、ジェネリック医薬品それ自体を可能な限り忌避する以外の対応策は取りづらく感じる。医療費の節約のためにジェネリック医薬品の利用促進という国の政策は、そもそも医療費節約のためには、不要な薬を処方しないことで対応すべき話だろうとも思うから、特に個人レベルで従う話でもないと考える。

 

それとかの会社の「再生」については、調査委員会の弁護士の方々も、そう簡単ではないのではないかという趣旨のことを上記の記者会見で述べているが、組織風土から変える必要があるところでは、そう思うのが自然だろうと思う。そういう意味では、M&Aで同業他社の下に入って、その指導の下で、再生を図るというのがよいのかもしれないと感じた。