ネゴ代から考える

TL上の呟きを見て思いついた脊髄反射的な何か。前に似たようなことをエントリにしたかもしれないが(汗)、そこはご容赦ください。

 

契約書の内容検討をするとして、特定の条項に対して何らかの反対提案をしたいと考えたとしても、当該提案が受け入れられる余地がないということもある。交渉上の力関係に起因する場合が多いものと思われるが、それ以外の理由に基づくこともある。

 

ともあれ、ネゴの余地がない話なのに、一生懸命対案を考えても、得るところは多くない(本人の勉強にはなるので得るところがないというのはおそらく言い過ぎだろうけど)。なので、ネゴ代がどの程度ある話なのか、ということは、契約審査をする際に最初に理解しておく必要があるのだろう。

 

そのうえで、ネゴ代がない場合は、契約書の修正提案を考えるのではなく、当該契約を無修正で締結した場合に生じうるリスクと、(もしあれば)その回避策または軽減策、を考えることに注力すべきということになるのだろう。そして、それらについて、企業内での当該契約に関する意思決定過程に反映させたうえで、意思決定に至ることが必要となるだろう*1。もちろん、リスクが高い場合には、そもそも契約すべきではないという議論になる場合もあるかもしれないが、そこまでの事態になる可能性は正直ゼロに近いのではなかろうか。 

 

*1:当該決定について経営判断原則による保護を受けるためには必要なことと思われる。また、当該契約について社内的に必要な手順を履践するという意味もあるのは言うまでもない。