テレビもあるでよ /坪内 祐三 (著)

図書館で借りてちびちび読んでいた。一通り目を通したので感想をメモ。

 

坪内さんのテレビ評の連載などをまとめたもの。主に2016年から2018年にかけての記事をまとめたもの。2020年1月に逝去することはかけらも感じさせず、ツボちゃん節全開で、そもそも受像機自体持たず、普段テレビを見るはずのない僕にとってもそれなりに楽しめた。

 

坪内さんらしいなと感じたのは、自分の感覚で選んだ番組を生で見て、それを論じたところ。偶然的な出来事(放送事故というかはさておき)も含めて、しっかりとその場で見たことを記録しているところが、印象的だった。

 

他方で一回当たりの分量が少ないので、個々のディテールに対する洞察は控えめという印象。そういうあたりは日記シリーズ(昼夜日記書中日記「本日記」/「酒日誌」等)とはやや異なるかも。

 

いずれにしても、もう少し氏の書くものに接したかったと感じるところ。まあ、まだ拝読していないものがあるので、それを徐々に接していくつもりだけど。