迷える英語好きたちへ (インターナショナル新書) / 鳥飼 玖美子 (著), 斎藤 兆史 (著)

近所の本屋でなんとなく購入。

 

英語学習について、一家言ありそうなお二方の対談+論考集、というところか。昨今の諸々、例えば英語の民間試験導入の話や、感染症渦の中での片仮名語の流布の問題などが取り上げられている。お二方の関与した英語番組についても触れられている。

 

個人的に印象的だった点を箇条書きでメモ

  • 英語は日本人にとっては難しい言語だという指摘。個人的にはそう感じていたが、専門家の方々にそう言ってもらえるとなんとなく安心した。
  • 所謂四技能について、今は寧ろ七技能という指摘、と、とはいえ、日本では七技能というのは定着しないのではないかという指摘。後者の分析は、感覚的なところを多分に含んているように感じるけど、何だか納得する。
  • 日本人にとっての英語の学び方という意味では、まずは文法と読解で力をつけて、その後で聴解や会話というのがふさわしい、というもの。個人的には、結果的にそういう感じの学び方をした(どこまで学べているかはさておき)ので、納得できるところ。弁護士とか企業法務とかで英語に接する際は、文法がアレだと困るので、この経路をたどるのが、純日本産の人にとっては引き続き有効なのだろうと思う。
  • 今回の感染症渦で、飛び交う片仮名英語擬きに対して、嘆くだけではなく、そこから如何に英語学習につなげるのか、という視点は見事だと感じた。
  • 日本語と英語の使い分け、の重要性も、片仮名の氾濫で実感するところなので、納得しやすいところだった。