そりゃそうなんだろうけど

何となく感じたことをメモ。

 

弁護士なので、それなりに担当している訴訟またはその類(調停等)がある。多くの場合は、結果がどうなるかはさておき、それ相応に進行してくれることを前提にしている。従って、進行しないとか、そもそも期日自体が入らない、または入りづらいという状況は困るのは確か。

 

その意味で、現状を問題視する言説は理解できる。依頼者の裁判を受ける権利が害されるのではないか、という懸念は抱くところ。

 

とはいえ、裁判所及びその職員が置かれている現在の制約条件下で、何ができるんだろうという風に思うのも確か。裁判官・書記官を含む裁判所で働く人及び裁判所利用者への安全配慮の要請、裁判過程の機密性確保の要請、官公庁の予算の制約、等々を考えると文句は言えども言われた側も手の施しようがないという側面があるのではないかという気がする。そうなると、言われた側は単に文句を言われるだけの状態を甘受するしかないわけで、そういう相手に文句を言いつのるのも個人的には違和感のあるところ。

 

もっとも、現状、前記の制約条件の詳細について、裁判所外にいる人間にとっては、よくわからないことが多すぎるという気もする。機密保持の要請はあるとしても、もう少し情報開示をすることができるのではないか、それによって、現状に対して、もう少し理解を求めることをしてもよいのではないかという気がする。個別の期日の関係で書記官とかに話を訊くと話してくれる部分もあるようなので、そうやって話せるレベルのことを集約して出すことはできないのかと思ったのであった。今のままだと、単に利用者(潜在的な者も含め)側に不満が残るだけになるような気がしているので。現状に対する説明責任を果たすという観点から、もう少し何とかならないものかという気がしている。何でもかんでもコロナのせいにすれば納得するほど、世の中は単純ではないことくらい、「頭の良い」裁判官の皆様は理解できると思うのだが。