森山大道の東京 ongoing

東京都写真美術館で開催中の展覧会を見てきた。

 展示会場の入り口には、大道さんを象徴するともいえる「三沢の犬」*1の大伸ばしのプリントがあり、その他にも過去の有名どころの写真のシルクスクリーンがあるけど、基本的には、東京ongoingというだけあって、最近の東京での街歩きで撮ったものがメイン。モノクロとカラーと半々というところか。

 

最近のものなので、以前のものほどボケ・アレが目立つことはないのだけど(この辺りはデジタルのおかげなのだろう)、街の猥雑なものに魅かれている感じなのは、相変わらずというかなんというか。相当ご年配(既に80歳を超えている)にも拘わらず、撮るものからは「枯れる」印象を感じさせない点は、素直にすごいと感じた。

 

とはいえ、展示の量が思ったほどなくて、個人的には今一つ気分が盛り上がらなかった。量のない質はない、ということを仰られていたと思うので、何だか残念な気がした*2。キャリアの長い方なので、どこかできちんとした回顧展を見たいところ。それなりにしっかりとした体制で取り組まないと実現できそうにないと思うので、東京都写真美術館あたりでやってほしいと思うのだが…。

 

 

*1:某所(敢えて名は伏す)でコラボ企画があり、そこのリンクをたどるとプリントが売りに出ているのにたどり着くが、とても買える値段ではない。

*2:なので、ミュージアムショップで御大のサイン入りの図録を売っていたけど買う気になれず、サイン入りの別の本を買うにとどまった