BLJ 2020年6月号

前号が盛大に遅れた反動か、比較的早めに来たので、読んだ記事の感想を,呟きを基に、箇条書きでメモ*1

 

  • 某二次妻・無双様の辛口レビューは、某公文書が俎上に。俎上に上がる自体が賛辞、というのはまあ納得(かつて、書名すら明示されないままにdisられた某4大の某書籍を思い出す)。辛口の指摘には納得。 
  • ハーレム連載は、NDAでこれだけ延々と回数を重ねるのもなかなかすごい。一般条項の解説自体は、個人的には、わかりやすくて良いと感じた。気になったのは、準拠法のところで、CISGとかが紛れ込む可能性を指摘しているけど、NDAの解釈において、どういう状況下でCISGが紛れ込むのかは説明があった方がよかったのではないかと感じた。個人的に想定するのは、物の売買の前提として評価のためのサンプル等の開示をNDAを交わして行ったうえ、売買までやった後で、その過程で開示された秘密情報について、漏洩が起きたとき、とかなのだが…そういう理解であっているのだろうか。
  • 買収した海外子会社の取締役の解任の記事は、結局のところ、PMIをにらんで、DDなどを行う際に、PMIにおいて取締役を首にするシナリオを想定して、その前提で、その障害となる契約上の規定を探したり、並行して法令調査で現地法で手続きを調べておく・必要な費用を見込む、ということに尽きるのではなかろうかと感じた。
  • アジア法務の思考回路は、まあ、そんなものなんだろうな、という印象。訴訟と仲裁の比較で、仲裁の方が高いというのは、興味深い。日本仲裁とシンガポール仲裁の比較でシンガポールの方にコスト的なメリットが大きいとされるが、理由がないので、そこは訊きたかったところ。仲裁人が多いから、報酬についても市場原理が働くということなのだろうか。
  • 法務部紹介の某社は、旧親会社の方の法務は定着率が高くないというのが個人的な印象だったが、今はどうなのだろうかと気になった。
  • ゴーンさんの件の一連の記事のうち、ヤメ検のオエライサンの方の記事は、検察は悪くない悪いのはJとBだという、如何にもP寄りの記事だけど、そうか?と疑問。個人的にはその次の宮村先生の記事の方が内容が妥当に見える(こちらがBだからそう見えるのかもしれないが)。危機管理の視点からの記事、米国現法視点からの記事、欧州系企業の視点からの記事、については、いずれもさもありなんという印象。欧州系企業の視点からの記事での、「ゴーン氏は、刑事事件については法律の国境という壁を巧みに利用して逃げることができたが、グローバル企業におけるインテグリティには、既に国境がないことをいずれ知ることになると筆者は考える」という指摘は興味深かった。
  • 特集は、法案段階で今後どうなるかは未知数のところがあるものの、最新の法案の状況についての情報で、追いかけ切れていないところだったので、適切な人選による解説が有用と感じた。個人的には影山先生の解説が図表の秀逸さもあって、良かったと感じた。

*1:読めるところまで読んで感想をupするが、後で追記するかも。