管理部門のハブ的存在になるという発想

何のことやら(苦笑)。例によって呟いたことを基に、こちらの「中の人」経験から感じたことをメモ。

 

企業内の法務機能を果たす部門が如何にして、案件の端緒をつかむかということが時折問題となる。来た依頼に応えることも重要だが、それだけだと、依頼に来るのが遅かったりすると取れる選択肢が減ったり、そもそもなくなってしまって、結果的に企業にとって嬉しくない結果が生じかねない。依頼に来る以上に情報をいかにして得るか、が問題となる余地があることになる。

 

自分から事業部門に情報発信をする、社内営業をする、というような選択肢も考えつく。そういうこともできると良いのだが、この種の「大きな」動きは個人の裁量ではしづらいし、手間もかかったりする。もっと個人レベルで、やりやすいことはないかということも思ったりする。

 

まずは、相手が法務に感じるであろう、心理的な「敷居」を下げるということが考えられる。相談しづらい雰囲気を出さないようにするということになろう。大きな企業になれば、事業部門が法務部門に情報を出さないように隠すことも、事業部門側がその気になればそれほど困難ではないだろう。そうなると、「北風と太陽」ではないが、事業部門から情報を出して、法務に相談を持ち掛けやすいようにしていくということが考えられる。

 

一つの考え方として、ある意味で「管理系の駆け込み寺」的な存在となれれば良いという発想もあり得る。対外的な取り決めは、契約書に結実することが多いだろうから、契約書という切り口から、そういう立場につきやすいという側面もあるだろう*1。ただし、自分の時間を管掌以外の事項に割かれてしまって法務業務ができないのでは本末転倒だから、法務の管掌以外の相談については、安易に引き受けず、適切に他の担当部門につなぐということも重要になる。管理部門へのアクセスのハブ的な存在になるということになろう*2。そして、そのためには、他の管理部門の業務内容などをある程度理解している必要がある。こちらの経験的にはその種の業務をしていけば、多少の試行錯誤を経れば、つなぐのはできるようになるだろう*3

 

*1:稟議書の類のチェックとかもするのであれば、そういう面からもそういう立場はとりやすいということもあるかもしれない。

*2:その意味で一番厄介なのは事業部門自体で本来はすべきものということになるだろう。単なる内部的な議事録のチェックとかはそういうものに当たる可能性が高い気がする。

*3:在宅勤務の比重が高くなった時にこうした方法論がどこまで通じるか、何らかの形で姿を変えるとすればどうすべきか、ということについてはこれからの課題なのだろう。