グラナダ版シャーロックホームズ

Gyaoで始まったので見ることにした。お勧め。

gyao.yahoo.co.jp

 

シャーロッキアンを名乗れるほど、読み込んでいるわけではないが*1、ホームズは好きだし、映像化という意味では、ホームズの母国イギリスのグラナダテレビが制作したこのシリーズが一番良いと思う。

 

何よりも(今更言うまでもないが)、ホームズ役のジェレミー・ブレッドが良い。ホームズ役は、役柄を考えると、理知的で冷酷そうでもあり、ユーモアもないといけないし、ついでにコカインとかに耽溺している風にも見えないといけないとか、求められる要素は色々あって、ドラキュラ役者でないと無理といわれることもある。氏は、そういうあたりも全部満たしているので、おそらくこれ以上ないくらいのはまり役だと思う。それと、セット(ホームズの部屋の様子とかも実に良い。)とかロケにしても、きちんとかの時代をそれらしく(汚い部分も含めて)再現されているので、違和感なく作品世界に浸れるのが素晴らしい。この辺はイギリス人が愛着をもって本気で作っているということを感じさせる*2。全作品を氏の出演で作品化する前に氏が鬼籍に入られたのは残念な限り*3

 

某国営放送でこのシリーズを流した時に、吹替に露口茂さんを起用したもの、露口さんがホームズのイメージに合う形で声を当ててくれているので、これまた素晴らしく、こちらでも見たかったが、今回はそれではなく、英語の字幕付きとなっている。英語自体は必ずしも聴きやすくないが(僕は聞き取りきれない…(汗))、字幕と映像でも十分楽しめる内容となっていると思う。

 

今回は、「ボヘミヤの醜聞」から放映されているが、この作品自体、ホームズのcanon(正典)の中でも、例外的な部分もあるが、何よりも面白いので*4、ホームズに縁のなかった方でも十分堪能できると思う。

 

ホームズ自体は、その後の推理小説とかの元ネタになっているところもあるので、このシリーズを見ておくことは、そういう元ネタを抑えておく意味でも有意義だろうと思う。そういう意味もあって、昨今の状況下での無聊を慰めるには、間違いなくお勧めできるものとして、こちらをご覧の諸兄に敢えてお勧めする次第。

 

*1:一応早川文庫版の和訳とPengin Booksの英文(読めていない…)のcanonは手元にあるが。

*2:歴史を理解できないハリウッドの連中に作らせたりするのは、そもそも無理があると個人的には思う。

*3:そういえばDVDで押さえておきたいと思いつつ、やっていないな…(汗)

*4:詳細はネタバレを防ぐ意味で略。初めて見ることになる方の楽しみを減じてはいけないので。