財務3表図解分析法 (朝日新書) /國貞克則 (著)

3部作の2作目に目を通したので感想をメモ。

前作の内容の理解を前提に、会計の専門家でなくてもできる財務分析について解説をしている。図解して分析するのが”売り”なので、図が多いし、実際の財務諸表を分析して図示したうえで解説している*1から、分量も見た目ほどは多くなく、わかりやすい。専門家でなくても、公開情報からここまで読み解けるというのが示されているのは、大変興味深く感じた。実例として出てくる中では、ソフトバンク、アップルの著しい成長が印象に残った。

 

他方で、上記のレベルでの分析には当然限界がある。その意味では、筆者が、東芝の会計不正発覚直後に東芝の財務諸表の分析を依頼されて断った話が印象に残った。著者が信奉するドラッカーのいうintegrityの表れという感じもした。

 

実際にはこの本を読んで、上記のソフトも使いつつ、公開情報を基に、実際に手を動かしてみるのが良いのだろう(遺憾ながらそこまでやる気力がない…けど)。ともあれ、経営陣の「言葉」を理解するうえでは、前作と本書は(おそらくあと1冊もそうだろうけど)、弁護士・法務担当者としても、しっかりと読んでおいて損のないものだろうと感じる次第。

*1:図で示すには、専門のソフトが使用されていたとのことで、当該ソフトはこちらから入手可能。プレゼンとかに使うには有用と思われる。