「質」とは?

例によって呟いたことのまとめ。

 

弁護士の「質」という言葉に接することがあるが、ここでいう「質」とは何か。今のところ確たる定義も思いつかない。

 

そもそも、「質」というのは評価が入る概念と思われ、しかも、その評価は、主観的なものになるような気がする。メールの反応の速さとか、成果物の速さとかは客観的に測定可能なところもあるが*1、それは、往々にして個別具体的な状況による側面もあって、しかもそれが弁護士側でコントロールできるものではなかったりするし、先に挙げたような項目は、弁護士が行うことの中身についてのものではないので、そういうものをどこまで重視すべきかは疑義があるように思う。

 

また、主観的な評価が入る場合に、その評価は誰を基準にすべきか、ということも問題になるような気がする。企業にとっての弁護士の「質」は、担当者の感じる「質」と同じといえるのか、というあたりも気になるところ。法務部長と担当者とで「質」として認識しているところが異なる場合に、どう考えるべきなのか、という問題もあると思う。

 

そう考えると、あくまでも、特定の個人にとっての「質」というものが仮に観念可能であっても、それは相互に比較可能なものとなるかどうかは疑義が残るところ、という気がするし、企業にとっての「質」というのも、漠然としか観念できないのではないかと感じる次第。もちろん、そういう形で言葉にして使うことにも意味がある状況も想定可能だと思うけど、そういう疑義を含むものでしかないことは意識しておくべきなのではないかと感じる。