応用美術セミナー@RCLIP研究会

掲題のセミナーに行ってみた。自分用にメモ。

 

欧州の状況についてのご講演は、こちらの予備知識がないこともあって、話についていくだけで大変だった。Cofemel事件については、中川先生がまとめてくれているこちらを事前に読んでおくくらいは最低限すべきだったと反省。

後半で触れられていた件については、同じく中川先生のご紹介のこちらも目を通しておこう(自分用のメモ)。

 

奥邨先生のご講演は、アメリカでの状況を、歴史的経緯から解説いただき、具体例を示したパワポもあって、わかりやすくて有難かった。問題となった物品の詳細を確認されたところも、興味深かった。また、現時点の判例法理の持つ不透明さの指摘も興味深かった。

 

平井先生のご講演も問題になったモノを示していただいたので、イメージがしやすくて良かったし、裁判例の傾向に関するご指摘もなるほどというところだった。

 

岡本先生(元判事、というべきか)のご講演も、事案における請求の立て方についてのご指摘は、個人的には興味深かった。

 

パネルディスカッションについては、専門外の法域についてのコメントという、ある意味無茶ぶり(特に同時通訳を介してという場合は…)への学者のお二方の対応が興味深かった。

 

ここまで聞いて思ったのは、各種権利(著作権意匠権等)のいずれかで保護を図るかというのは、それぞれの目的との関係でも考える必要もあるのだろうけど、それぞれの権利の、国ごと、時点ごと、の保護の実態とも相関していたのではなかったか、ということ。理由はともかくとして、ある権利での保護が実態として弱くなってしまう場合に、他の権利で保護をはかって、結果の妥当性を確保するということは、ありそうなことではないかと感じたから。このあたりの分析も踏まえると理解がしやすくなるのかもしれないと感じた次第。