山下達郎 Performance 2019

夏のサンプラザの公演が御大の体調不良でキャンセルになったものの、振替公演、に行ってきた。

 

f:id:dtk1970:20191112232708j:plain

 

リターンマッチという奴だったのだが、サンプラザでの席も前から5列目という良い席だったが、今回も前から4列目のほぼ中央、というところで、御大はじめバックの方々(御大の陰に隠れてドラムの小笠原さんの姿だけは見えづらかったが)が良く見えた。ただ、その分音響的にはイマイチで、後ろまで音を響かせるために仕方ないのだろうが、音が聞き取りづらいところが若干あった。

 

メンバーのスケジュールと合う場所がここしかなかったということで、渋谷のラインキューブ、要するに渋谷公会堂だった。終演時間に厳しいということで(そのあたりのお役所仕事ぶりは再三disっておられたが、当然のことだろう)、18時開演で3時間超のコンサートだった。自由業ということで、事務所をそそくさと後にして間に合うように駆け付けた。

 

最後に御大のツアーを見たのは、98年だから20年前で、そのときと比べると、ベースの伊藤さんと、キーボードの難波さん、それとギターの佐橋さんは変わらないが、ドラムは青山さんが鬼籍に入り、小笠原さんとなり、キーボードとサックス、コーラスが変わっていた。コーラスの女性が極端に若い感じだった(反面、三谷さんが残っていたのと某曲でキーボードを弾いていたのが良かった)。そのあとはなんやかんやでチケットが取れていなかったので、実に嬉しい。

 

曲目については、やってほしいと思っていた定番ものはおおむねカバーで、クラッカーネタ(準備していたので無事に対応できた)や、脚立/お立ち台ネタも出てきたので、満足。その他にもライブでできなかった曲とかもあり、マンネリ感はなかった。某カバーとかは、FBとかで情報には接していたが、やはり感慨深かった。

 

御大の声については、音響の問題かもしれないが、高音を長くシャウトするようなところは控えめに聞こえたが、それ以外は良かったのではなかろうか。

 

ツアーは、今後も続けたいが、来年は、オリンピックの関係で宿とかが取れないので、ホールツアーはなし、「城北トリオ」でのライブハウス回りのみで、その分新しいアルバムや旧譜のリマスター、それから新しい録音・演奏技術の勉強に充てたいとのこと。再来年を期待しつつ待つ(ライブハウスでの公演のチケットも狙うけど…)つもり。

 

今回は、以前よりもMCが多く、しかも、初心者向けに説明を丁寧にしている感じだった。最近20代とかがライブに足を運んでいることを受けてのことなのだろう。また、最近感じる息苦しさについて、SNSのせいではないかという指摘もあり、この点は思い当たるところもあってううむと思った。それと、自由業の辛さや、辛い中でも色々やっておくと将来そのことが何かをもたらすことがあるかもしれない、というようなことに触れられていた点は、この期に及んで自由業になった身としては、色々と考えさせられるところがあった。いずれにしても、もっと頑張ろうと、背中を押される感じのしたコンサートであった。

 

追記)記憶の限りでセットリストはこんな感じだったかと。

Sparkle:最後のシャウトがいまいちだったような気がしたが音響の成果も。

甘く危険な香り:同上

ドーナツソング:ハンドラッピングルンバ/大滝さんが入ったりして、遊びを入れるのに適しているんだろうなと。他にも遊びが入ったけど、よく聞き取れなかった。

土曜日の恋人:三谷さんがキーボードを弾いていたのはこの曲だったような。Paperdoll:明るめの曲を選曲しますといいつつ、これをやるってどうよと思わずにはいられない。

FUTARI: 悪くなかったけどJOYのバージョンほど御大のボーカルががんばってなかったのはやむを得ずか。
サウスバウンドNo.9 :長年できなかったのができるようになったということで披露なんだけど、出来なかった理由が知りたかった。

君は天然色 [大瀧詠一]:大滝さんの曲をやる資格も能力もあるのは自分だけだというのは、納得。御大ほど大滝さんの曲を理解して、その理解を表現できる人はいないと思うので。

REBORN:ツアーメンバーでのコーラスはこうなるのか、というのが印象的。 

セールスマンズ・ロンリネス:御大と柴田さんだけで、それぞれキーボードを弾くというのが詞の空気感にあっていて良かった。

ここからアカペラもの3曲。煙が目に染みるがなかったのは残念。

La Vie En Rose :さすがに口笛はカラオケだったが仕方ない。

Bella Notte:最後のところはもっと声を張るかと思ったが、おとなしめだった。

Have Youreself A Merry Little Christmas [Judy Garland] :おとなしめ、という感じで特に印象には残らなかった。
クリスマス・イブ :アカペラものでメンバーが退出していたのが入ってくるところで、この曲で、その間も客入れのときみたいに、アカペラをかけていたのが、客をだれさせない意味でうまいなと。この曲自体は、一人多重のオリジナルのコーラスワークはツアーでは再現不能なので、どうせならアコースティックバージョンの方がいいかなという気がした。

メドレー
 蒼氓
 People Get Ready [Curtis Mayfield]
 Blowin’ In The Wind [Bob Dylan]
 希望という名の光
 蒼氓 蒼茫とRay of hopeの間に曲と語りが入るというのは大枠は固定化しているのだろう。間に入る曲もたまにはほかのがいいかなという気がした。
Get Back In Love :最後のところはJOYみたいにくどくなかったのは個人的には物足りなかった。

BOMBER :ベースラインがなんといってもカッコよくてよかった。

メドレー
 LET’S DANCE BABY
 不思議なピーチパイ [竹内まりや]
 もう一度 [竹内まりや]
 けんかをやめて [竹内まりや]
 リンダ [竹内まりや]
 純愛ラプソディ [竹内まりや]
 毎日がスペシャル [竹内まりや]
 すてきなホリデイ [竹内まりや]
 元気を出して [竹内まりや]

LET’S DANCE BABYお約束のクラッカーを鳴らすのができてよかった。達郎さんが、「煙くさい」と歌いながら言っていて苦笑。確か合間に新曲のレシピの一節も入っていた。プラスティックラブ以外のまりやさんの曲が来るとは思ってなかった。まりやさんの歌の時の謎のぶりっ子ポーズみたいなのが気になったがあれはなんだったのか。

ハイティーン・ブギ:ジャニーさん追悼その1。御大が歌うとカッコよく聞こえたけど、これが曲の真価なんだろうな。
メドレー
 アトムの子
 アンパンマンのマーチ [ドリーミング]
 アトムの子アトムの子は、合間にアニメソング、特にドラえもんが来るのが定番だったけど(同じロボットものだし)、今回はアンパンマン。映像も流れたけど、一応copyright表示もちらっと見えたし、権利処理もされているのだろう(謎)。

プラスティック・ラブ:最近ネットでのcity pop人気の中で注目されていることへのコメントもあった。シャウトも控えめだったが、やってくれただけでうれしい。
硝子の少年:ジャニーさん追悼その2.kinkiも良いのだけど、御大の方が良いと思う。
Ride On Time:脚立とかお立ち台の説明込みがあったのに苦笑。今回はお立ち台。タイタニックごっことかするあたりに笑う。
Down Town:三谷さんもコーラスの場所でキーボードを弾いていたのが印象的。その場所の隣で一本スタンドマイクがあいていたので、まりやさんが降臨するのかと期待したがそういうことはなかった。
Last Step:御大のギター一本で。ロングトーンもしっかりとしていただいたのが良かった。

YOUR EYES:最後がこれか、というので驚いた。途中サックスが少し入るだけで、ほとんどがアカペラのオケがバックというだけ。コンサートの締めにも悪くない一曲