どう言葉にするか

TL上でアレしている某件について、考えたことをメモ。

 

強行法規・取締法規との関係では問題とならない(つまり違法という指摘を受けるものではない)ものの、それ以外の社会的なもろもろ*1との関係で問題となりそうな話について、外部の弁護士の立場で、どういう形で助言をするか。

 

まずは前者の意味での法的な問題とならないことは、伝えるべきだろう。その際は、後者の問題とは区別して伝えるべきだろう。両者は異なる性質の問題なのだから。そのうえで、後者の問題についてどうコメントするか。

 

多くの場合、単なる法律の専門家である弁護士は、法律上の問題とはいえない問題については、専門的なコメントを出せるだけの知見を有さないのではないか。そういう場合には、仮に何かいうとしても、前者の問題程に「強い」根拠を有しているわけではないだろう。そういう場合には、根拠が強くない以上、言い方も相応に「弱い」言い方に留めておくのが無難だろうと思う。なので、「やめるべき」、というよりは、「***の点で問題となり得るから、***の対策をするなどして、十分お気を付けいただくのがよろしいかと思料致します。」という程度にしておくのが良いのだろう。

 

もちろん、そもそも、その問題について専門家でない以上は、コメントを避けるという考え方もあろう。コメントしてしまえば、専門家からのコメントとして受け取られる可能性は排除しきれないのだから。ただ、依頼者側で、こちらの専門家としてのコメントが求められているとき(担当者が、上司から意見を聞いてこいと言われているような場合とか)に、コメントをしないと、依頼者側で話が進まない(前にも後ろにも)という事態が生じる可能性もあるような気がする。それも良くないのだろう。ある種「逃げている」ような印象を依頼者に与えかねない可能性もある。前者の問題と後者の問題とを依頼者が峻別しているとも限らないし、両者の境界線は時として明確ではないこともあろう。となると、「その点については、専門家ではないですが」という前置きを付しつつ、先に書いたような対応をするのが、よいのではないか、と考える次第。ありきたりな気もするが、メモしておく。

*1:コンプライアンスといえばよいのではないかと思うが、かの言葉自体も定義がいろいろあって、法令遵守に限るという美香tもあるので、ここではその言い方は避ける。