こんなところでつまずかない! 離婚事件21のメソッド / 東京弁護士会 親和全期会 (著)

先日の本に続いてこの一冊。第一法規のこのシリーズは,読むのが3冊目か。

家族法周りの話は,企業法務中心の業務であっても,顧問先の役職員からの相談だったり,自身の友人知人からの相談(特に30代後半以降は)があったりするので,普段の業務範囲の中に入っていなくても知っておくべきということで,読んでみたもの。離婚事件についての対応方法の一般論を知るうえでは,最初に紐解くのにふさわしいような気がした。難しい理屈の解説はさておき,現場でどう考えるべきか,どこに気を使うべきかが諸先輩の経験談として語られていてわかりやすい。

 

離婚は,ことの性質上,生々しい事実と感情がぶつかりあう場になってしまいがちなようで,論理よりもそれ以外の要素に左右される部分が大きいのだろうということは想像に難くない。そのあたりにどう対応するか,どう考えて身の処し方を決めるか,というあたりも興味深かった。

 

もちろん,この本を読んだくらいで何かができるほど簡単な話でもないということも,同様に読めばよく分かる。とはいえ,地雷のありそうな箇所について事前に注意すべき点を把握できた方が,地雷を踏む確率は減るだろうし,不安も少しは減るだろうから,この種の事案をやらない人にとっては,有用な本であることには変わりはないと思う。