BLJ 2019年8月号

速さ重視で,読んだところの感想をば速報的に。例によって呟いたものに基づくけど*1

 特集については,ソツがない感じだけど,BLJにそういうものを求めていないので,正直,途中で飽きてしまった。前号についてのコメントで戦士さんがBLJのNBL化という指摘をされていたが,正直なところ,NBL化しても,劣化版NBLにしかならないのではないかということは声を大にして主張しておきたい。貴誌の持ち味は,別のところにある,と*2

k-houmu-sensi2005.hatenablog.com

 

あとは手短に箇条書きで。一部ネタバレ防止のために内容を伏せているところがあります(全部でないのがアレだが)。

  • 某無双様のブックレビューは,「あ,やはりそこに来たか」という一冊についてのもの。こちらも買ったけど開いていないので,迂闊なことはいえないが。
  • 独禁法の道標は,事業法と独禁法の交錯についての整理がわかりやすく感じた。適切な全体像の鳥瞰と,一方の適用場面におけるその文脈への他方の規制の「翻訳」が重要なのだろうと感じた。
  • 企業法務部の特集は…某社か。そういえば(以下略)。
  • ハーレム先生の連載は,対象の契約の事業内容はさておき,二義を許さない起案の重要性という意味では興味深い。
  • DeNAの件の記事は,結局ベンチャーが成長する中で,その機動力となった起業家自身が,企業の成長にとって弊害となった時点で身を引くべきという結論になるのだろうか。文中で取り上げられていた複数の実例からすればそうなりそうな気がした。
  • ブロックチェーンの記事は,原理的な説明はわかりやすかった。とりあえずスマートコントラクトという名付け方が適切ではないのでは,という指摘には同意。

  •  データ保護・利活用の要点は,限定提供データの利点として「高額な損害賠償」があげられているけど,適切な表現ではないのではないかという気がした。不正競争防止法4条の利用が可能になることで,損害賠償の立証が容易になるのは確かだけど,金額が高額になるとまでは言い切れないのでは?と疑問。

 

 

*1:ちゃんとしたコメントを書きたいところではあるのだけど,こちらの状況からそれが難しいので,こういう形にしようかと。こういうことでもしないとなかなか読む気にも慣れなさそうので…

*2:具体的にどこかと言われれば,いささか古い話だが,東日本大震災のときの対応に見せたフットワークの軽さだったり,今でも時折発揮される企業の法務担当者の「ナマ」の声を拾えるネットワーク,等だと思うのだけど…